第16話 王都に到着! 女騎士シュガー現る。
王都が見えてきた—————。
巨大な壁に六方形にふさがっていて、奥のほうは見えないくらいの広さで中のほうは人の活気があふれていた。
私は冒険者だが王都を見るのは初めてだった。————まぁ、最近なったばかりだけど。
クロワはくたびれて伸びていた。
なんでも酔ったらしい。乗り物弱いだなー。
フンドシとヴァニラがのうのうと米でできたお酒、ニホンシュを飲んでいたのだ。
なんでもギンジの息子が出稼ぎで遠くの別の村でこのお酒を開発し、売っていてたまに村に送っていたらしい。
ギンジは米から開発したお酒だから村に帰ってこいと言っていたが。
息子はここの土地がニホンシュの製造の環境にいいから出られないし、幹部が近くにいるうわさがでていたので近寄れなかったらしい。
ちなみにこのお酒はひでり神に見つかって村人から奪ったものだから倒された。今はヴァニラが勝手に持ってきたのだ。
おいしそうに飲んでいると珍しくフンドシが興味を出していて一緒に飲んでいる。
四天王のものとはいえ、よく他人のお酒を飲んでいられるなと私は顔を引きつったのだ。
フンドシもフンドシだ。
私たちは王都の真ん中に城の広場にヘリを降ろした。
「うえ~気持ちわり。」
「確かに、酔いそうに揺れているから、私もなんだかふらふらしそう。」
私とクロワは段差になている階段に座って休んた。
その横でヴァニラは私の杖とクロワのリュックを持って出てきた。
「ここが、おうと・・・。」
フンドシはヘリから降り、仁王立ちになって周りを見ていた。あの二人酒飲んでても酔わないのかよ。
休憩していると鐘の音が鳴った。どっから響いているんだろうとキョロキョロしていると突然武装してきた騎士団が私たちの周りを囲んだのだ。
誰かが近づいてきた。白髪で、年は私と一緒くらい女騎士が現れた。ちなみに私は今、16歳くらいだ。
「あ、あの、実は・・・。」
「君たち、ここはソーグ国王の城、ソーグ城と知ってろうぜきか。」
警戒していたが、ヘリを運転していた馬が手紙を出し、渡して。————女騎士はそれを読み始めた。
「魔王の幹部の一人、ひでり神がここタウエ村に襲ってきた。——だがここにいる英雄フンドシ様と御一行が倒してくれた。じゃが今年の米の収穫はできなくなってしまい。
クロワ様の提案で国王様に食糧調達をお願いしようと直々に来られた——ってわけか。」
騎士たちが驚きざわめき始めた。女騎士は腰に手紙を入れ、続いて話し始めた。
「ひでり神を倒したっていうことは本当のことらしいな。———もしかしたらミノタウロスやメデューサとも倒したと報告があったのもあなたたちが倒したってことか!」
「そう…。です‥‥。私たちが倒しました!」
正確にはフンドシ一人で倒したわけだが、威圧で言われて私はビビってしまった。
「そうですとも、このフンドシというお方が魔王討伐をもくろんでいて、半分以上組織を再起不能にさせたのだ! なので、ぜに…報酬をいただきたいと思っていまして。」
「待て、それは私が決めることではない。国王様に報告をしなければ。」
クロワはため息を吐いて女騎士から離れた。団長は手を上げて一人の騎士が走って報告に言った。
「ともかくよくヘリで来たものだ。———私は幹部が王都を攻めてきたと驚いたもんだ。」
「なんかすみません。つい勢いでヘリで向かおっと思ったもので、そりゃざわつくわなっと今思いました。」
私は女騎士団長にペコペコ謝っていると——。
「おい、シュガー! これはどういうことだ。ひでり神を倒したって本当のことか!」
突如として眼鏡をかけている偉そうな初老の人が走ってきた。
「ええ、現にひでり神が乗っていたのであろうヘリがこちらのお方が乗っていたので本当ことです。」
「はあ。はぁ。なるほど、はぁ。なら、食糧調達の許可しよう。国王も魔王討伐に向けて対策を練っているからな。」
「では、この方たちも魔王討伐も目的らしいので、我々とともに討伐の許可を———。」
女騎士、シュガーという人が初老に向けて言ったのだ。
「だがな・・・。ここの守りが弱くなってしまうし、それに残りの四天王の一人では我々が向かったところでは太刀打ちできんぞ。」
「うっ。」
シュガーは反論でぎず後ろにひぎずっていると。
「ご安心をー私が指揮を執ってまいりますのでどうか、それにこちらにはひでり神を倒した。英雄様もいますので。」
「ふーむ。」
初老の人が悩んでいると、ふとヘリを運転してきた馬が肩を叩いて。奥のほうを指をさしたのだ。
「なに! 国王の許可が降りて、あの機械を出すように命令されただと。」
あの機械。田植え機と稲刈り機と同じものがこの城に隠していたと。つーかあの人も言葉通じるのかよ。
初老の人はごほんと咳払いをして。
「国王様の許可が降りたので早速だが、シュガー! この者たちと同行し、一緒に魔王を倒してくれ。なのであの機械で魔王城まで向かいうて。」
ついてこい!と初老の人が言って、全員城の門のほうに向かった。
歩いている途中——何やらすごい音がしたのだ。田植え機と同じ音、いや、違う。
音は同じでも田植え機とは似ていない。
それは馬車に近い乗り物。馬車と違うのは前のほうまで伸びていてそれに鉄でできた何かが煙を出してガタガタを動いている。屋根はなく、座席が四人座れるであろう。その一人に馬が何やら丸いものつかんでいる。アレは田植え機たちにもついている。ハンドルってやつだな。村人に教えてもらったのだ。
「こ、これは一体何。」
「これは、私たちが魔王軍から押収して改造した。自動車だ。これなら魔王城までは早く行けるわけだよ。」
「ここにも馬が運転しているのかよ!」
クロワが言った。
「彼らのおかげで私たちには操れないから機械担当として負かしているわけだ。」
唐突にヴァニラが手を上げ自動車に乗っている馬に話しかけたのだ。
「知り合いなの。」
ヴァニラは首を縦に振って体を動かしていた。
「ここでは知り合いが多くて、よく遊びに行っているらしい。」
フンドシが言ってきた———。もう話通じるようになっていた。
「では、ガレット侯爵陛下、祖国のために行ってまいります。」
「気を付けていくのだぞ。」
シュガーは車に乗って私たちに振り向いた。
「さぁ、乗って。」
えっ。
侯爵はフンドシに歩み寄ってきて。
「フンドシ殿、なにぶんお騒がせして申し訳ない。シュガーを任せます。」
そう言ったら、フンドシは車に乗り込んで。
「良かろう傷一つもせず帰ってこさせよう。」
その一言で私たちも乗り込んだ。
こうして私たちはシュガー率いる騎士団を含めて魔王討伐に向かったのだ。
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