第7話 盗賊のボス、シュウ。

ゲンセン村を出た後、何故がクロワがふてくされていた。


「どうしたのクロワ。馬車に酔ってしまったの。」

「違うわ。バカ者。あんたの重いのがうっとうしいのよ。」

「重たいの?。私の杖とか、これはいざ魔物が襲ってきたときに必要なんだから。村に着くまで我慢して。」

「そうじゃないって。温泉のときに浮いていた・・・・。胸だよ!

胸。なんででかいんだよ。」


クロワが私の服をつかみ、大声で言った。

「しょうがないでしょ。生まれつきなんだから。別にあげてもいいけど。無理でしょ。」

「ほ、欲しいなんて、言ってないわ。小さくたって色気あるし。」

「え、そんなこと聞いてないけど。」

私はキョトンとしてクロワをジーっと見ていると。クロワが顔真っ赤になって

「言ってみただけだよ。!」

元の位置に戻ってまたふてくされた。


お互い、沈黙が続くと馬車が急に止まった。

引いているのはフンドシなので話しかけてみた。

「どうしたの。何かあった。」

「そこで待ったな。」

馬車から降りて歩き始めた。

誰か倒れている。この仕掛けは・・・。


「は、罠よ!。フンドシ、逃げて。」


呼びここんだ直後に倒れた男が立ち上がりナイフを出して刺しに来た。

だが、フンドシはそれをかわし。頭をつかんで地面にたたきつけた。

軽くとはいえ、フンドシの力は強大。男は白目をむいて倒れた。


その直後に視線を感じた。


「気を付けて。敵がまだどこかに潜んでいるわ。」


私は杖を構え、攻撃体制に入った。


「君たちは馬車にいろ。」

そうフンドシが言うと奥から盗賊がぞろぞろ出てきた。


「よくも仲間をやってくれたもんだ。だがこんな大勢じゃ太刀打ちできないだろう。金目の物だけ置いたら、命だけは助けてやる。」

「貴様ら、拙者たちにナイフを向けるとは許しがたき。」

「うるせー。野郎ども、やっちまえ。」

盗賊たちが一斉にナイフを出し次々と襲い掛かった。

その時、フンドシ拳を作り構え、振りかざした。

風圧によって盗賊たちが吹っ飛ばされゾクゾク倒れた。


「な、なんだあいつのパンチ力は。」

「おい、リーダーを呼んで来い。こいつは俺たちじゃ敵わねー。」

「おぁ。」


盗賊の一人が走って、リーダーを呼びに行ったのだ。

「お前ら。リーダーが来るまで何とか奴を食い止めるんだ。」

その瞬間に盗賊たちの目が変わった。殺気立つような目。

一斉に突進しかけた。

「その度胸はしかと受け止めた。ならば君たちには死なずに相手をしようじゃないか。」

フンドシはファイティングポーズをし、盗賊たちを一人一人殴り掛かった。

右ストレート、左シャブ、アッパー。

それでも耐える盗賊たち。

そんな中、盗賊の二人が不意を突き、フンドシの両腕をつかみ。

「今だやれ。」


攻撃し始めた。だが、フンドシはその二人を振りかざし、両方ともの頭をつかみ、お互いに頭突きをさせ盗賊二人が倒れた。

そして早めに構え振りかがり盗賊たちを吹っ飛ばしたが三人ぐらいは耐えていた。

そいつらの一人が風圧が弱まった直後に突進してきてフンドシに刺した。


「フンドシ!」


私たちは予想外のことに驚き、思わず叫んだ。

だが、フンドシはわずかにナイフを受け止め、その盗賊に拳で殴った。

軽く殴ったので、気絶で終わった。


「加勢しなきゃ。」

私は杖を持とうとした時に盗賊たちが私たちの周りを囲んでいた。

「せめてこの魔法使いどもでも人質にしてあの野郎の動きを止めねーとな。」

「私もなめられたものね。あなたたちくらいじゃ倒せないわ。」

「ほざけ。」

襲ってきた。私は構え、風の魔法と唱えようとした時だ。


「待て。」

唐突に誰かが森の奥から出てきた。


「兄貴、あいつです。かなり強い裸の男です。おねげーします。」

「なんだおめーら、こんなガキどもの相手もできねーのかよ。」

「すいません。」


盗賊のボス。見た目からして32歳。ボスにしては若く、金髪キツネ目であごひげをはやしていかにもチャラそうな顔をしている。


「仕方ねー。おい、この男には手、出すなよ。」

俺の名はシュウ。何十年も盗賊やってたが、コイツ初めてだ。おい、裸の男。俺と一騎打ちしれーか。」

「一騎打ち。」

「俺とお前、どっちが強いかってことだよ。どうだ。」

「いいだろう。ただし、あの子たちには手を出すな。」

「分かったよ。こっちも部下に何かあったら、文句ねーな。」

ボスは一つのナイフを腰から出して見を構えた。

獲物を狩る構えだ。

「よかろう。では参る。」

フンドシもボスを見ながら構えに入った。

「面白い、かかってこい。」


今、フンドシとボスとの一騎打ちが始まった。




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