第6話決着———そして温泉に浸かった。
何時間たったのだろうか。
夜になりあたり全体暗くて見えなくなってしまったが、私とクロワはまだ待機していた。
クロワに至っては横になって眠りに入っている。あれから休みなしで疲れたのだろう。
私も今までこうしたことは何度かあったけど。さすがに疲れきた。
だが、帰って行っても魔物とか出てくる確率があるから私は寝てはいけない。
体制を変えて、洞窟を見ていると。————誰かが出てきた。メデューサか。
私はおそるおそる、目を見開いていると、赤い布が見えた。もしかして。————
「き、来た。来たよクロワ。起きて。」
「ちょ、なになに、なんなの。」
「フンドシ。フンドシが帰ってきたんだよ。」
「ウソ!」
そう言ってクロワは洞窟のほうを向いた。
「本当だ。フンドシ。メデューサに勝ったんだね。」
クロワはフンドシのいる方に走っ。私も同様に走って抱きついた。
「メデューサは倒したの。」
「倒してはいない。———だが奴はもう悪さはしないだろう。」
「えっ、どういうこと。」
その時。
「出口はこっちでいいんだよな。」
「早く行け。またメデューサが来たら、また石にされるぞ。」
「だけど、私たちを解いたのは事実よ。どういうこと。」
洞窟から若い男女が次々と出てきた。
「さらわれた若い村人たちが全員、戻ってきた。」
「奴は今まで一人でこころぼそかったらしく。さらっていたのだ。」
「だからって倒さないのはないでしょ。魔王の幹部よ。」
「また悪さをしたときは今度こそ倒す。だが今は村人たちを石から解いて逃がしていたから、いいだろう。」
「フンドシ…意外とお人好しなんだね。」
何はともあれ、これで魔王の幹部の一人、メデューサとの戦いは終わった。
———朝になり、若者たちと一緒に村に帰ってきた。私たちはヘトヘトだったが昨日、フンドシに見張りを任せて少しは休めてすがすがしい。
最初に迎え入れたのは村長だ。
「な、なんと、まさかお前らがメデューサを倒したのか。」
「あーいや。」
「今は洞窟にいる。もう奴は悪さはしない。」
「どういうことじゃ。」
「また悪さをしたときには、ぶっ殺すって意味よ。」
「さよう。拙者は悪い奴の直感は素早い。すぐさまかけづける。」
「そっか。あなたがいてくれれば、またお願いします。」
「ふむ。」
フンドシは村長に今までのことを言って、承諾した。
良かった…のか?
「フンドシさん…ありがとう。」
「ありがとう。なんとお礼を言ったらいいか。」
「これで賑わいが戻ってきた。」
「娘を助けてくれてありがとう。」
「フンドシのおじちゃん、そしてお姉ちゃん、ありがとう。」
村人たちが笑顔になり、一斉に祝福された。
クロワは恥ずかしくなっていて、顔が真っ赤。フンドシに至っては仁王立ちのままだ。
「いえ、私たちは何も。すべてフンドシがやったので。」
「無論。悪者が来た時には拙者が倒す。」
「ふ、フンドシ様。いや、救世主様。」
村人たち全員、一度しゃがみ崇拝していた。前の村でも同じことあったなー。
「お礼と言っては何ですが。私たちの名物、温泉をタダで入れるようにします。」
「えっ!」
「ウソ!」
私とクロワは目が輝いた。
温泉がタダで入れる。驚きと喜びが同時がうかんだ。
「フンドシ早く入ろう。私たちヘトヘト。今日はここで一泊しましょう。」
「確かに、みなの疲労がたまっているから、温存するのにちょうどいいだろう。」
「やったー。」
私たちは喜びのあまり、ジャンプして颯爽と温泉に行った。
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「気持ちいい。あったまるわ。」
「しみる。これが温泉ね。疲れが取れて、もう出たくないわ。」
「分かるわ。」
私たちは肩まで温泉に浸かっていた。
「フンドシはどう。」
となりでフンドシも入っていた。ここは混浴らしい。
「ふむ。昔のことを思い出す。」
「そういえば、フンドシってどこから来たのか、言ってなかった。」
「東のほう…だが今は言えぬ。」
「まぁ、いいんじゃね。今日はゆっくり寝たい。」
「それもそうね。」
こうして私たちは一泊とまってゆっくりしたのだ。
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