第5話死闘! フンドシvsメデューサ。

今、いるのは、山奥の深い洞窟——————


メデューサはここにいるとの情報だ。


ここは源泉が流されてここに好んでいる。


村人たちから金を巻き上げ、若者たちをさらって石像のコレクションとしてくつろいでいるらしい。


「いい。メデューサの目を見ちゃダメだ。見たら最後、石にされるから。」


「マジ。めっちゃ怖。だが私たちにはフンドシがついている。」


私たちは草むらに隠れて、フンドシに話しかけた。


「フンドシ、フンドシ、どうしたの。」

「返事くらいしろよ。…あれ。」


私たちが振り向いたら、フンドシがいなかった。  ———まさか。


私は良からぬこと考えていた。今すぐ洞窟にむかおとしたら、クロワが私の手首をつかみ。


「やめな。相手がどこから来るのか分からないのよ。それにフンドシなら大丈夫だよ。ミノタウロスを一撃で倒せる男よ。たぶん勝つよ。…イヤ、勝つよ。ゼッタイ。」


クロワが言っていることには一理ある。けど心配だ。


「もう少し見て、来なかったら、覚悟を決めていくよ。」

「分かったわ。」


私たちは、フンドシが帰ってくるのを待つことにした。———無事に帰ってくればいいが。







———————洞窟の中。


温泉に浸かりくつろいでいる奴が。————メデューサ。


見た目は二十代ぐらい。黒髪のストレート、整った顔。————まさに美貌の持ち主。


その周りには、今までさらってきた、若い男女の石像がずらりとちらぱっている。


何か視線と感じ、メデューサは振り向いた。


「誰じゃ、我のお後ろに立っているのは。」


全裸の男だ。だが一つだけ赤い布が一丁。


「拙者はみのこなし太郎、そなたの悪行で、村人たちに迷惑かけるとこ、許さぬ。」


「フフフ… 迷惑なんてかけていないわ。若い衆は村人からの差し出しで私は石にさせただけ。それに我がいたおかげでどれだけ金を生み出したか。」


そして温泉から上がり、フンドシの目を見て。


「そなたも石像になるがよい。」


今までの目から赤くなり、光を出した。———が。


フンドシは石像にならなかった。仁王立ちのままで。


「バ、バカな効いていないだと。」


「なら、その悪行をこの拳でぶつけていたしましょう。」


フンドシは拳を作り、構えて振りかかろうとした時だ。


ふとフンドシは気づいたのだ。体に違和感が覚え、構えをやめた。


よく見てみると、なんと右手から二の腕まで、石になっていたのだ。


「こ、これは。」


「フフ‥‥。私が石にできるのは何も目だけじゃないわよ。私の髪の毛で作ったヘビはどうよ。」


ほかの所にも咬まれてしまい、身体の半分が石になってきたのだ。


「ははは、これであなたも石像の仲間よ。もがき苦しむがいいわ。」


そしてフンドシは石になった。


「これで私のコレクションが増えたものよ。ちょっと珍しそうな格好したものだが。」


メデューサは服を取ろうとして、手を伸ばしたその時


フン!—。


急にフンドシの石像がごなごな割れ、元のフンドシが復活した。


「な、なに!石になったものが自力で解けるのなんて初めでだ。」


「拙者には、毒とか雷とか効かぬ体質なもの。こんな攻撃など効かぬ。」


メデューサはぐぬっと唇をかみしめて、また髪の毛で作ったヘビたちでフンドシに攻撃してきた。


だが、フンドシは構えを作った。異常に熱が上がり拳を放った。


その拳で風圧を作り、ヘビで作った髪が乱れ、無防備状態になった。


「しまった。」


メデューサは体制を崩した。その直後にフンドシが速く拳を話そうとしていた。


やられる。メデューサはそう思い、目をつぶった。


————何も起きない。恐る恐るメデューサは目を開けた。


なんと、フンドシは、拳を顔の近くまでに止めてこう言ったのだ。


「貴様の悪行は許せぬ。だが君は孤独に耐えられなく、さびしい目をしていた。」


「えっ。」


メデューサは肩を落とし、腰を抜かした。


確かにメデューサは今まで、多くの人々にひどい目にあわせて、私は一人。その時に魔王様に気に入られ、幹部の四天王になった。だが魔物たちですらこの目で恐れられて誰も近寄らない。


けどこの男は違う。目を見ていても石にならない。純粋な眼差まなざし。何だこの気持ち。


メデューサは目に涙が出てきて、口に手を抑えた。


「わ、我の負けだ。胸のざわめくのは初めてだ。…そなた名前は。」


「何度も言わせるな。拙者はみのこなし太郎———。皆はフンドシと呼んでいる。」


フンドシは後ろを向いてメデューサに言いかけ、元来た場所に去ったのであった。


「フ、フンドシ様。」


メデューサは祈るような姿して見つめていたのだ。ドキドキとする。



これが恋だということを。












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