第4話 新たな敵、メデューサ。

フンドシと旅をして。三日目。

「ねぇ、そういえばなんだけど、名前聞いていなかったね。」

「あんた三日間、聞けたじゃないの。毎日エルフ、エルフって失礼な奴だな。」

「そういえばそうだね。」


私は名前を覚えるのは苦手だ。無論。フンドシの名前はもう覚えていない。

だがフンドシはそれで通じるらしい。


けどエルフは、エルフばっかり言うと不機嫌になってしまうから、覚えないと。

「ウィーン・クロワ。クロワでいいわ。」

「分かったわ。クロワ。私はデェーニ・ショコラ。ショコラでいい。」

「我は、みのこなし太郎…太郎と…」

「あ、フンドシはフンドシでいいわ。」


英雄の名前は、なんかダサいような気がした。フンドシもダサいけど。



私たちはある村に着いた———。


ゲンセン村———。温泉が有名である村だ。


話には聞いたことあるけど、初めて見た。私は温泉には興味がある。


疲労回復、美肌効果、神経痛、頭痛、肩こりに効くとも言われていて、一刻も早く行きたい。


———そう思っていると、何やら村人たちの様子がおかしい。


「なんか村人たちの態度は悪くない。」

「フン、いやらしいものだ。…イヤ、このフンドシが珍しいかもしれないね。」

「確かにそうね。」


そういえば私たちより、はだか一丁の男ほうが、警戒していることが分かった。さすがの私でもそうするからな。


「あのー。私たち怪しいものじゃありません。イヤ、この裸の男は…そう!温泉が大好きで、早く入りたくて仕様がなく、はだかで待っているんですよ。」


私はそう言ってごまかした。


フンドシは相変わらず、仁王立ちのままで、どこかを見ている。

それでも村人はビビッて家に入って引きこもった。


その時、杖を持った老人が私たちの前に現れた。


「旅の人よ。逃げた方がいい。ここはメデューサがこの村を支配している場所だ。」


魔王の幹部で四天王の一人、メデューサ。見たものを石に変え、若い男を生け捕りにするドスケベ野郎だ。


「けど、なんでこの村に四天王の一人が目をつけたのですか。」

「そりゃ、金儲けでしょ。温泉地と見て、若い男たちをさらい、儲けをすべて渡さないと一人ずつ殺すといっていたのじゃ。最近では若い女性までさらっていく始末よ。」

「なんて変態な奴なの。ねぇ、ここはあきらめて、別なところに行きましょう。」


クロワがわたわたして言った。


「そうね、いくらフンドシが強いからって、一ヶ月もたたないうちに二人目の四天王じゃ、体がもたないと思うね。」


私が言った瞬間、フンドシが動いた。


「ちょっと。待って、どこに行くの。」

「弱いものを食い物にし、はたまた、自分の快楽のために、若い衆をさらうとは許しがたいこと。」

「確かにそうだけど、相手は四天王よ。いい、前倒したミノタウロスは四天王の中では最弱なほうなのよ。だから今までの攻撃が通じないだよ。」


「構わぬ。」


フンドシは堂々と歩いて行った。


ひとりでも行くつもりね。私は少し考えて、そして決意した。


「フンドシ。私も行く。」


「ちょっと待って正気なの。」


クロワが止めに入った。

私はクロワの顔見ながら。


「そのために旅にどうこうしているんだから、それにフンドシは負けなわ。」


そしてフンドシと一緒に同行した。


「あーーも。分かったわ。私も行く。フンドシだろうと変態だろうとかかってこい。」


クロワは愚痴りながら同行した。





私たちは村人たちを助けるために 四天王・メデューサを倒しに住処の洞窟に向かったのであった。

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