第5話 楽しい日々
ジョンはいつも通り牧舎へ。
「おとうさん、おはよー」
「あぁ、おはよう」
牧舎の中で先に作業をしているお父さんに元気に挨拶をして、任された鶏小屋で行をする。
(毎日熱心じゃのう)
ヒタカはピヨピヨ伝える。
「ははっ、まぁね」
ジョンは、そう言って作業を続ける。
「ゆうしゃってひとりでたびをするの?」
(まぁ、人によるんじゃないか。大抵は支えあえる仲間がいるもんじゃ)
「ふーん、そういうものなんだね」
そう言ってジョンは作業を終え、鶏小屋の外へと出る。
(なあ、この村には教会があるのかのう?)
「あるけど、どうして?」
ヒタカによると教会に行って祈りを捧げれば、良いことが起きるとのことだった。
「それじゃ、きょうもいってみるよ」
ジョンは途中、牧舎により、お父さんにいってきますと伝え教会へと歩きだす。
「おーい、ジョン。げんきかー」
「うん、おはようネロ。きょうもげんきだね」
教会の近くで、偶然ネロと会った。
「これからきょうかいでいのろうとおもってたんだ」
「ほぇ~そうなのか、じゃいっしょにいこうかな」
ネロも一緒に祈ることになった。
教会に入る。
「「おはようございまーす」」
昨日と同じように二人で元気に挨拶をする。
「あら、おはよう」
ローズさんの声が返ってくる
「昨日はありがとう、今日はどうしたの?」
ローズさんが尋ねてくる
「いのりをささげにきたんです」
ジョンがそういうとローズは
「まぁ、いい子ですわね。さぁ、どうそ神様の像のまえに」
そういってローズは二人を連れ、像の前へと移動する。
「では、手を前へ出して」
「「はい」」
二人は言われたままに手を出す。
「二つの手のひらを合わせて、握り込むように。そして左ひざをつく、これが祈りの体勢です」
言われた通りの体勢になる…そうしたら途端に、ジョンの体が温かい光に包まれる
「すごいきれい…」
「すげぇ」
二人とも感嘆の声が漏れる。ジョンの光は段々とその体に吸収され収束していく…
「ふたりともどうしたの?」
ジョンは不思議そうな顔をして二人に話しかける。
「なんともないのか?」
「そうです!具合が悪かったりしないですか?」
二人はジョンに詰め寄る。
「えっ、なんともないですけど…」
「ならいいか」
「具合が悪くなったりしたらすぐにいってくださいね」
二人とも思い思いに告げる。そして、ジョンとネロはローズにお礼を告げ教会をあとにする。
「ねぇ、なにがおきたんだ」
帰り道ネロがジョンに聞く。
「ぼくにもなにがなんだかわからないよ」
あの後、少し二人に話を聞くと光に包まれたんだと熱心に伝えてくれたのだが。なんの光かはジョンにもあまりわかってなかった。
「ただなんだか、あのあとから、ちからがわいてくる、きがするんだ」
「そうなんだなぁ、なんかすごいなジョン」
ネロは、キラキラした目でコチラをみている。
「あぁ、ありがとう」
ジョンは少し照れるように言った…
(あれは、すごかったのじゃあ。これが世界に祝福された勇者…か)
ヒタカは心の中でそう思った。
時が進み5年後…
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