第四話 新たな夜明け

 ふわぁ。なんだか変な夢をみたなぁ…

 そう思いジョンは体を起こす。

 コロッ

「ん?なんだろ」

 振り向くと今まで自分が寝ていたところに、昨日拾った卵があった。

「これは…」

 拾い上げてみる。

「まちがいない、きのうひろったやつだ。」

 ジョンは何か思いついたようだ。

「もしかして、ゆめの中でひかっていたものって」

 (ふーむ、感が良いのう)

「うわぁ!」

 ジョンは、 ボトッ と卵を落とす。

 (ぎゃー)

「あ、ごめん」

 (し、死ぬかとおもったわ)

 ジョンは再び卵を、持ち上げる。よかった、罅は入ってないみたいだ。

「ねぇ、ゆめのなかのかみさまなんだよね?」

(そうじゃ、ずっとそう呼ぶのは呼びにくいじゃろ。なんか良い名はないかの?)

「うーん?」

 ジョンは悩む………

(…さすがに悩みすぎじゃ、こうパッと思いついたもので大丈夫なのじゃ)

「じゃあ、ピカピカで」

(…冗談じゃよな?)

 ジョンは真剣な眼差しで卵を見つめる。

(…)

(いやじゃ、そんな名前いやじゃあ)

 ジョンは、はははっと笑う。

「じょうだんだよ」

(ふう、焦ったわ)

「そうだなぁ…たまg」

(却下じゃ、お主もしや遊んでおるな?」

「そんなことないよぉ?」

(本当かのう?)

「ごめんって、こんどはまじめにかんがえるから」

(やはりふざけておったではないかぁ)

 今度は真面目に考える。ヒカル タマ カミサマ それぞれの頭文字を取って ヒタカ…いいかも?

「ヒタカ」

(お、いいではないか)

「よし、じゃあヒタカで」

 なんだか卵の光がだんだん強くなって…

 うわぁ、眩しい!

 直視出来なくなるほど光が強くなりだんだん落ち着いていく。

 ピヨピヨ

「…ヒヨコになった?」

(えぇ…なんじゃ?)

 黄色、ふわふわの羽、鳴き声、見事なまでにヒヨコであった。

(なんじゃこれぇー!!)

 「ヒヨコだよ?」

(わかっとるわぁ!なんでわしの体、ヒヨコになっているのかについて驚いとるんじゃー!)

「そんなこときかれてもわからないよ。」

 少しずつ落ち着きを取り戻し始めるヒタカを尻目に着替えを済ませるジョン。

「ヒタカ、ぼくはきょうのてつだいをしにいくけど…いっしょにくる?」

 (いくのじゃ!)

 こうして、物語はゆっくりとだが動き出す。


 少し離れた家屋の中、ここにも一人楽しそうに笑う者がいた…

 「ふふ、おもしろくなってきたなぁ!」

 そう言い暗い部屋を、去っていく…

 ギィー バタン


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