第二話 教会

前回のあらすじ

ジョンはネロに、シスターが困っていると聞き二人で、教会へとやってきた。


「おはようございまーす」

 二人はあいさつをしながら教会の中に入る。

 教会の中は、奥にステンドグラスがありそこから光が差し込み、手前にある女神像を照らし出している。他には聖書台と呼ばれるものがあったり、入口から聖書台の少し手前までベンチが左右に分けるように置かれていたりする。

「あら、おはよう」

「おはようございます。ローズさん」

 女神像の前で、掃除をしている女性がいた。彼女こそ、くだんのシスターである。名前をローズと言い、紺色の修道服を着ており、いつも優し気な表情を浮かべている。

「今日はどうされましたか?」

「ローズさんが、こまっているってきいてきたんだ」

「まぁ、そうなんですね」

「なににこまっているんだ?」

ネロはそう問いかける。

「えっと、神父様がすこし遠くの街に用事があって帰ってくるまで一人なので人手が足りないんですよねぇ」

こちらをチラっチラっと見ながら伝えてくる。

「まかせてよ!」

ジョンは張り切って答える。その後ろではこっそりとネロが入口から出ようとしていた。

「ありがとうございます。ジョンさんとネロさん。」

どうやらネロは逃げられなかった様だ。

「で、なにからてつだったらいいですか?」

「そうですねぇ...まずは外の掃除をおねがいします。」

 そう言って二人に箒を手渡す。

「わかりました」

「しかたないなぁ」

 ジョン達はそれぞれ答え、外に出て掃除を始める。


「ふぅ、けっこうかかっちゃったなぁ」

掃除を始めてかなり経ち、太陽が天辺を上っていた。

「お疲れ様でーす。ジョンさん、ネロさん」

教会の中からローズさんが出てきた。

「いやぁ、助かりました。二人ともありがとうございます!」

「「どういたしまして!」」

二人とも少し照れながら答えた。

「もうそろそろお昼ですねぇ。お礼にいっしょにお昼ご飯たべていきませんか?」

「「ぜひ!」」

 そのままジョン達はローズに付いていき教会で一緒にご飯を食べることにした。

 そうして、時間は過ぎていき太陽も傾きかける頃

「今日はありがとうございました。とても助かりました」

 ローズはそうお礼をした。

「うん、またなにかこまったらいってね。」

 ジョンは、はにかみ笑いながらそう答えた。

「じゃ、またね!」

 ジョンは眠そうにしているネロを連れ、帰路に付いた。その最中、ネロに今日あった不思議な事について話した。

「ねぇ、ネロ」

「うん?」

「ぴかぴかのたまごってみたことある?」

「なんだそれ?」

「いいから、みたことは?」

「あるわけないだろ。ジョンはあるのか?」

「ふふ、ヒミツ」

そう言って、ジョンは駆け出した。

「お、おいまてってぇ」

後を追うようにネロも駆け出す。

 その後、途中でネロと別れジョンは一人になる…もうすぐ家だ。

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