第一話 少年
とある村の家屋の中
「ふわぁ」
大きく背伸びをした。白色の髪をした小さな子供が目を覚ました。
「よし、きょうもがんばるぞ」
そういってベットから起き、身支度を終え、家を出る。
彼の名は、ジョン。父親は村で牧場をやっていて母親は体が弱くまた、運悪く難産であったことも重なりジョンを生んでそのまま亡くなってしまった。
牧場の中には牧舎、鶏小屋、畑などがあり、そのすべてをまとめて柵がぐるっとおおっている。
「おとうさん、おはよう」
「あぁ、おはよう」
牧舎の中でいつも通り、朝のあいさつを交わす。
「今日も鶏小屋の方、任せても良いかい?」
父親のジョージ優しい笑みを浮かべながらは、ジョンに問いかける。
「まかせてよ」
ジョンはニコニコして言い道具を持ち鶏小屋の方へと向かう。
「コッコ コケー」
「みんなー、あさごはんだよー」
ジョンはそう言って給餌器の中にご飯を入れる。
「よし、きょうもとりさんたちはげんきだね。あれ、なんだろ」
敷いている枯草の上に光っている丸い物体が落ちている。
ジョンは落ちているその物体を拾い上げた。
「わぁ、ぴかぴかのたまごだぁ」
ジョンは嬉しそうに手に取る。
「おとうさんにもあとでみせてあげようっと」
ジョンは他の卵と一緒にをかごの中に入れた。その後、軽く小屋の中の掃除をして外に出た。
「おーい ジョーン遊びに来たぞー」
ん、あの声は幼馴染のネロだ。
「おーい どこにいるんだー」
牧舎の方から聞こえる。
「いまいくよー」
ジョンはそういい牧舎の方へと向かう。幼馴染のネロは黒い髪でジョンと、とても仲の良い友達だ。
途中、牧舎の中でおとうさんに「今日も元気だな、あまり急ぐと転んじゃうぞ」と言われ少し照れながらも「うん!わかってる あと、きょうもネロとあそんでくる」そう言いながら家の方へと牧舎を抜けていった。
「やぁ、ジョン」
そう言ったのは友人のネロだった。
「おはよう、ネロ」
ネロは僕がもっと小さい頃からの友達で親同士も結構仲が良く、よく一緒に家でお泊りなどすることもあるくらいだ。
「きょうはどこであそぶ?」
「そうだなぁ、とりあえずたまごをおきにいってもいい?」
ジョンは手に卵のかごを持っていたのでそれを置きに行きたがっていた。
「わかった~ じゃ、いっしょにいこう」
そう言いネロが付いてきた。
家に戻りジョンは卵をテーブルに置いてネロに話しかける。
「それできょうはどこへあそびにいく?」
「…あ、そういえばきょうかいのシスターがこまってるっておかあさんがいってたきがする」
「じゃあ、きょうかいにいってみよう」
そう言いジョンとネロは村の中央の近くにある教会へと向かう。
「…で、シスターはなんでこまってるの?」
ジョンはネロに聞く。
「さぁ、なんでだろ」
「え?なんでなのかしってるんじゃないの?」
「いやぁ、こまっているってことだけしかわからなくて」
「えぇー まぁ、いっか」
「ごめんね」
少しずつ教会に近づいていく。
「とうちゃーく」
教会は全体的に白く三角屋根の二階建て、ドアは両開きで少し上の辺りに十字架が掛けられている。
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