ゲームの家庭教師

@pandaningen777

第1話

「ごはんはテーブルに置いとくからね。何かあったら連絡して」

「……いってらっしゃい」

ドアの向こうから微かに聞こえる、まだ幼さの残る少年の声を聞くと、四十代半ば程の女性は明るく言った。

「ゲームクリアできるといいね!行ってきます!」

 それから数十秒後。少年はドアを開けて居間へ向かった。テーブルの上には温かいオムレツ、ハム、オニオンスープ、パン、サラダ、野菜ジュース、が置いてあった。それを見ると少年は目を潤ませた。

「…お母さんごめん」

「それは本人に言わないとだめだぞ」

 少年があたりを見回すと。そこにはスラリとした長身でスーツ姿の男がテーブルから這い出てきた。

「はじめまして朝陽くん!ゲームの家庭教師の黒田です!」

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