第92話 セグさんの年齢は?

「つ……疲れた!マジで疲れたー!!ただ報告を聞きに来ただけなのに、どうしてこんなに長時間拘束されなきゃならないんだよー!!」

「往来で騒ぐなカイ!それよりセディール達と約束してるんだろ?早く屋台に行くぞ!」



 長い組合でのやり取りは、ほぼ事情聴取だった。事情聴取なんか人生初だよ!カツ丼も出ないし!


 それと言うのも、俺が遭遇した盗賊が悪い意味で名の知れたヤツ等だったせいだ!お陰でこんな時間まで根掘り葉掘りしつこく聞き取りされていた。

 報告を聞くにしても、もっと時短で要領良い方法を取ってくれよ……。


 屋台のある方へ、何故か付いて来るセグさんの背を見てトボトボと歩いて行く。



「……なんでセグさんも来るの?もう報告も全部したじゃん!それにダンジョンから帰ったばかりでお疲れでしょ?いつまでも若者にかまけて無いで、ちゃんと家に帰りましょうよ!奥さんに怒られるよ?!下手すると逃げられるよ?!」

「……………女房はいない。そもそも結婚していない!!!」



 あれ?セグさんって組合の専属探索者だし、面倒見も良いから、見た目年齢的にもう結婚しているものかと……。



「………なんか…ごめんね?」

「謝るのはよせ!」

「じゃあ……………頑張れー?」

「何をだ?!それにお前の応援はいらん!!」



 俺の要らぬ一言にプリプリと怒って歩くセグさんの横顔をジッと見る。実際、セグさんって年はいくつだろ……?見た目は30代のちょい悪オヤジ風だけど、ヒゲのせいで老けて見えるだけかもしれないし、もうちょっと若いかもしれない…。う〜〜ん。


 年齢の話って、センシティブな質問の可能性があるけど、もうそれ以前の事も聞いちゃったしな……まあいいか、気になるから聞こう!



「………セグさんて、おいくつですか?因みに俺は多分15歳です!」

「いちいち言わなくても知ってる!俺は29だ!」



 おぅギリ20代!想像よりも若かった!異世界の婚期って早い印象だったけど、お貴族様のみか?庶民は晩婚もあるのかね…?


 なら、俺も30前に良い人と巡り会える様に頑張るぞ!


 そして、そのままセグさんと共にセディール達の待つ屋台へと向かう。


 多分、屋台の交代時間にはもう少し間があるはずだ。夜が親父さん達の担当だからだ。


 火を灯す前の街並みは、夕日で濃いオレンジ色に染められていた。その中で、ある人は足早に家路へと急ぎ、またある人は夜の街へと誘い出される。


 俺的には飲兵衛タイムの始まり始まり〜だよね。






◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇





終わってみると短い夏休み……



暑くて大変だけど、仕事頑張りましょう〜




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