第67話 黄色は危険
「ふぁ〜〜〜!カイ起きて!もう朝だよー!」
「メシぴぇ!」
「……はい〜………おはようさんです…。」
おーーーーー良く寝た。酒は飲めなかったけど、ソルスと駄弁ってたらいつの間にか寝てたわ。
じゃあ朝飯作ろうかな〜。
昨日、花蜜をたんと採取したから、パンケーキでブレックファーストもよろしおすな。
「ソルス、朝飯作って良いか?」
「うん、任せるよ。美味しいのお願いねー。」
「オイ!メシぴぃーーー!!」
………そろそろピー助には俺の名前でも教えようか…。あと敬語な。『カイさん、ゴハンクダサイ』くらいは言っても罰は当たらないと思うんだ。
それにしても、まったく……『オイ!メシ』って、どこの関白亭主だよ?!将来、嫁さんに逃げられても俺は知らんぞ。
卵白を泡立て小麦粉とサックリ混ぜ合わせ生地を作る。
添えるのは街で買っておいたソーセージ、チーズ入りのスクランブルエッグとサラダにナッツも散らして、あとはカットフルーツだな。朝からモリモリ食うぜ!
花蜜とバターはお好みで掛けられる様にしとくか。俺はどっもたっぷり派。甘じょっぱいのは至高です。にぱーー!!
「え?なにこれ??凄く美味しそう!!」
「パンケーキだよ。普通のパンよりフワフワで美味いぞ!ケーキみたいに甘くして食べても良いし、おかずと一緒でも良いし、好きに食ってくれ!」
「カイ、ありがとう!!早速頂くよ!」
「ニク!メシぴぇー!!」
「はいはい、ピー助は肉が良いんだな?」
ピー助の分の肉を皿に出し、食うか不明だけど試しにソーセージも切って置いておく。
最近はピー助の食べる量も増えて来たな。肉ばっかり食べないで、ナッツとフルーツも置いとくから食いなよ?
「うわ〜〜お〜い〜し〜い〜〜!!カイ、すっごく美味しいよ!蜜を掛けてフルーツと一緒に食べても良いけど、チーズ入りの玉子に花蜜をちょっと掛けたの!僕はこれが一番好きだよ!いくらでも食べれそう!」
「ウマッぴぇー!!」
「口に合って良かったよ。ピー助もソーセージ気に入ったんだな……じゃ追加で置いておくぞ。他のも食えよ?」
「………………………ぴぃ」
ピー助のヤツめ…注意したのにソーセージを真っ先に食ってる。偏食しない様に出さないと、好きな物ばっか食いそうだな。
そうしてみんなで仲良く、朝食に多量の糖質と脂質を補給した後は、再びダンジョン探索だ。
昨日ソルスが切った桜の木は、何事も無かった様に満開の枝を広げていた。本当にダンジョンって不思議だね。
「僕の目的は昨日で達成したよ!お肉も燻製用の木もしっかり採取出来たから。後は、5階層のボスを倒すとダンジョン入口に戻る転移魔法陣が出るんだ。カイがその転移魔法陣を今後使える様にすれば全部の目的達成だね。そうしたら4階層を通らなくてもここに来れるから!」
「助かるよ。もう4階層は懲り懲りだ。暗いし臭いし魔導書出ないのに最後に変なボスは出るし……。」
「でも、そのボスのお陰であんなに儲けたんだよ?結果良かったじゃない!」
「まあな。ソルスは屋台を改装するのか?」
実際、2700万ゼルで何が出来るのか知ら ないんだよ。俺が街で買うのは主に食料だからな。
「正直かなりの金額だから、使い道は両親と相談かな?でも僕の希望は屋台の改装なんだ。出来ればもう少し大きくしたい。それで、お客さんがその場で、食べて飲んで楽しめる様にしたいんだ!」
「そうか、出来ると良いな。完成したら俺も飲みに行くよ!」
屋台で1杯………良い。良いよ!!出来たら今すぐ行きたいね!
俺もゼルが酒に変わる前に大介を広くしよう!
集蜜をしつつお花畑探索を続行。
それに今日は俺の嗅覚が元に戻ってる!もう、あの青臭い匂いじゃないんだ!なんて素晴らしいんだ!!
フローラルでは無く、本物の花の香り。
バラやフリージアの匂いもする。あ!紫陽花と水仙も咲いてた。
ん?バラの花からカエルが飛び出てきたぞ。ニホンアマガエルくらいの可愛い顔と大きさだ。けど、体皮の色は黄色い。
「カイ、気を付けて!そのカエル強毒持ちだよ!」
「あっ?!そうだった!!」
カエルが俺に向かってピョーーーンと飛んだその距離は、その体長に似合わず、優に3mはあった。
「しかも保護色!花と同化して見にくいんだよ!」
「もう!どうしてこんなに四方八方からカエルが飛んで来るの?!僕、既に嫌な予感がするんだけど?!また変なボス出ないよね??」
「フラグを立てるなぁぁぁぁぁーーー!!!」
俺は水玉を複数発動して、防御用の簡易水壁を周りに展開した。そして、水壁に着水したカエルを魔弾で一匹一匹撃ち抜いて行く。
バラの花園………超危険!
綺麗な花には、棘だけじゃなく毒もあるんだね、異世界って。
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