第62話 2人で4階層
酷しい?剣の修行を終え、俺はやって来た。
あの
もうお前等の好きにはさせない!覚悟しろや腐れ犬共め!
「ねえねえ、カイ。もう
「………分かってる!最短最速を目指すぜ!」
今日は、魔道ダンジョンにリベンジだ。しかも同行者がいるよ!その名もソルス!
何でソルスが一緒かと言えば、単にソルスがダンジョンで欲しい素材があったけど、他の2人の都合が付かなかったから。
それに俺は、3人が秘密にしていたテントの魔道具の事も知ってるしな。
俺はこの前の一件についての記憶を封印し、再び今この4階層に降り立った。さあ、魔導書を手に入れつつ4階層を突破するぞ!
「最短最速も良いけど、魔導書が欲しいならスケルトンとゾンビ系の魔物はちゃんと倒してね?」
「了解だ!」
その前の階層では、俺の『魚やキノコの燻製も美味いよな!』と言う不用意な一言で、丸々1日使って魚釣り大会とキノコ狩りが始まってしまい、4階層に降りられなかった。だから今日は頑張るぜよ。
聞いた所によると、屋台で出している物はやはり肉が主流で、そもそも街では魚を食べる習慣があまり根付いて無かった。そりゃ、あれだけ肉を落とす魔物がダンジョンの浅い所にいれば、肉がメイン食材になるよな。
だったらこの際、魚を食う習慣に少しでも慣れて貰おうと釣り大会を開催(参加者2名)。
本当はセディールとスコットにも魚料理の魅力を伝えたかったんだが致し方ない。
ソルスが『乾燥』の魔法を使えるので、釣った鮭を俺が鮭トバの要領で棒状に
軽く燻しただけでも、その美味さはちゃんと伝わった様で、目出度くソルスの屋台で販売が決定された。後は任せたからな!買いに行くから、美味い燻製作ってくれよ!
「ほら早速来たよ、ゾンビ犬。討伐の方法はもう大丈夫だよね?」
「おう!」
よし、ここだ!俺の考えた、より倒しやすい秘策を試す時!
お腐れ犬め、俺の号令を聞けーーー!
「伏せ!」
「フセぴー!!」
「「「ワウっ!!」」」
俺とピー助の号令を聞いたゾンビ犬が一斉にその場に伏せた。
あはははーーーっ!
よーし、よし!グッボーイ!!
『お手』と『お座り』が有効なら『伏せ』もイケると思ったんだ!
「うわ〜〜…。カイがなんかやらかしてる…」
「人聞きが悪い!これは『お手』、『お座り』に並ぶ、より有効な手段『伏せ』だ!討伐し易さ間違い無し!組合の指南書に新たなページが刻まれるな!」
「無駄に偉そう〜。でも確かにこっちの方が頭は潰しやすいね。」
そう感想を言いながら、ソルスもゾンビ犬の頭を潰して行く。さ、俺もゾンビ犬を倒そう。
「うん、これなら剣でもより確実に潰せるね。たまに潰し損ねて暴れられる事があってさ…もう色々ぶち撒けてくれるから悲惨なんだよ……後始末がね」
「うわっ!絶対にヤダ!!それ、臭い以外も付くじゃないか!」
「そうなんだよ〜。着替えは持って来てるけど、酷い時は洗っても臭いが取れなくて、その汚れた服をダンジョンで燃やして帰るほどだからね。」
「そいつは回避以外の選択肢は無いな!それより、この『ニオイ換えポーション』はどのくらいの時間効き目があるんだ?」
俺の確認不足のせいで、このアイテムの存在も知らなかったんだよね。
文字通り『ニオイ換えポーション』は、この4階層で必須のアイテム。鼻が感じる臭いを換えてくれるポーションだ。
その為、今はとてもフローラルな香りを感じている。
お陰で、視覚的な環境との差が目茶苦茶激しいぞ。
今のポーションの効果が切れたら、今度は『森林の香り(初夏)』にしてみよう。
「ポーションの効果は半日だよ。あ〜〜残念!今回のドロップは魔石と牙だ。」
「何のまだまだ初戦だ!次行くぞ!」
因みに、ゾンビ犬以外は動きが緩慢なんで、如何様に対応してもオケ。あとは、頭部をしっかり破壊するのみ。
「スケルトン来たー。あ、剣持ちだよ!ツイてるねカイ!」
「剣が確定ドロップでも、俺は売っ払うよ?ソルスは……要らないよな?」
「うん、スケルトンのよりは良い剣を持ってるからね。でも売れば1000ゼルになるよ。」
「1000か〜…。一回で100本くらい落としてくれたら良いんだけどなあ。」
金を貯めて、もっともっと大介を大きくしたい。夢は1SLDKだな。
LDKは15帖、寝室は8帖欲しいな〜。収納は3帖もあれば十分だ。それに洗面所とトイレ。合計で……約13坪。
これに990万の坪単価を掛けますと、1億3千万ゼル近く必要な計算だね!
しかも、設備代は別途だからね?!
「……………しこたま稼ぐどーーー!!!」
「え?!何なの急に煩いよ!!カイ、ダンジョンで騒がないの!!」
やっべ、あまりの高額につい叫んじゃった。1人じゃないから気を付けないと。
でも、頑張って稼ぐぞーーーー!!!
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