第60話 同行者はどこですか?見つけにくい物ですか?
「お前は…………どうしてこれだけちゃんと解放してる組合の書籍に一切目を通していないんだ?!ダンジョンに行くなら、せめて出現する主な敵情報くらいは頭に入れておけ!」
「……アイアイ。」
自分で思っていたよりも物知らずだった俺は、探索者組合の専属 セグさんに色々とお教え頂いている次第です。だって、魔物の情報なんて鑑定すれば良いかな〜って思ってたからさ。
「ダンジョンは俺達の生活に密接に関わっているが、危険な場所だって事に変わりは無い。そこへ1人で潜るのは禁止では無いが、推奨されてもいない。………お前は誰か一緒に動ける知り合いがいないのか?」
「あ〜〜〜俺、田舎から単身で出て来たんで、そんな知り合い皆無なんですよ。ここに来てからの知り合いも、一緒に行動した事があるのは偶然会ったセディール達くらいですかね?」
俺の相棒はピー助だよなー?な〜??
……おい返事しろよ!いつもピィピィ言ってるのに、何でこんな時は返事しないんだよ!
「こら!おしゃべりインコのせいにするな!お前の人付き合いの悪さはお前のせいだろ?!」
「……サーセン。」
「まったく……とりあえず、組合で仲間を募集している奴らがいるから、試しに同行するのはどうだ?」
う〜〜〜ん…。そうなると、俺の秘密をどうするか問題が発生するんだよなぁ。
いきなり『大介』を見せる事も出来ないし、アイテムバックの件もあるし……それに今の広さだと、同行者全員で『大介』に入るのは二段ベッドでも置かないと不可能なんだよね。
そもそも、会ったばかりのヤツを部屋に入れたくないな…。俺が渋い顔をしたからだろう。セグさんが理由を聞いて来た。
「何か同行者を受け入れたくない理由でもあるのか?」
「実は人見知りなんです。」
「卒なく話をするし、そうとも見えんがな?」
「あと、本当は恥ずかしがり屋なんです。」
「そうやって自己主張をしっかりしているあたり、恥ずかしがり屋にはとても見えないぞ?」
「……実は…俺、過去に辛い出来事があって、中々人を信じるのが難しいんです………」
「すまん……。俺もお前が今言った事が信じられん。」
俺とセグさんは暫し無言で見つめ合ったあと、この平行線の先に活路を見出すことが出来ず、同行者についての話し合いを一時中断した。
「同行者は一先ず置いておいて、組合で武術教習を受けたか?お前が魔法主体の攻撃を得意としていても、魔力不足や耐魔の能力を持った魔物だっているんだ。何かの時には、得物での攻防も必要になるぞ?」
「ああ……受けてません。この街に来て初めて魔法を覚えたんで、そっちの育成に励んでました」
「は?!この街に来て初めてって……その年齢でこれまで魔法を覚えてなかったのか?!」
「はい。ミフ爺さんに聞いて、初期魔法を一通り覚えて、そのあとはダンジョンで魔導書を手に入れられた時にちょこちょこと。なので、ダンジョン低層で魔法を使ってる最中です。」
つい最近、チート無しで異世界に転生したもんでね。
俺のチートと言えば、大介とアイテムバックの支給かな?
切れそうな剣はあるけど、ズブの素人で全然使ってません!
でも、声も掛けて貰ったことだし、良い機会だから剣の稽古を付けてもらっていいっすか?
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