第56話 飲んだくれの休日(閑話)
「あぁぁぁ〜〜〜〜飲み過ぎたぁぁ〜〜!!」
「メーシーーー!ぴぇぇぇぇぇーーーー!!」
「……うぷ………アイアイサー………」
俺とした事が、うっかり少し飲み過ぎてしまった。こんな時は、い〜薬(回復薬)を飲んですっきりしよう。
ピー助にメシをあげて、暫しぼーーーーっとその食事風景を眺める。
今日休んじゃおうかな…。依頼を受けてる訳でも無いし、俺はいつ休もうと自由なんだ。
一心不乱に探索しなくてもいい。
遮二無二に魔法を鍛えなくてもいい。
我武者羅に生きなくてもいい。
だって異世界だもの by すおう
そう。それに有給休暇の申請が却下されることはもう無い。
言うなれば、毎日日曜日。素敵だね☆
何なら今から二度寝してもスマホが鳴って、『早く来い!』って呼び出されたりしないよ!
でもさぁ…………俺、忘れがちだけど、今は見た目が推定15〜16歳なんだよね。
なのに心がアラサーだから行動がいちいちオヤジ臭いっつうか。若干荒んでるっつうか、酒飲み過ぎっつうか………。
ここは一発、子供らしい事でもするかぁ?
…………………………………………………………………ああ、ダメだ………子供らしい事が全く思い付かない。
今から2度目の青春を謳歌するってのも……あれ?俺、1度目もそんなに謳歌したって訳じゃなくね?
まあ良いかテキトーで。……歌でも歌おう。
はぁ〜〜〜ノルマもねぇ!納期もねぇ!
実入りはそれほど悪くねぇ!
彼女いねぇ!出会いもねぇ!
ダンジョン1日ぐ〜るぐる!〜っと♫
「……………………はぁ、ピー助。」
「はぁ〜〜〜ぴぇ?」
「俺、なんか寂しくなっちゃった……彼女欲しいーーー!!」
「だ〜か〜ら〜〜ぴぇーーー!!」
「違う!!そうじゃない!!俺が欲しいのは彼女なの!大きなアレじゃない!!ピー助のバカーー!」
「ば〜〜かーーも〜〜えーーぴぇーーーー!」
回復薬の効きが悪いのか、若干のアルコール成分が感じられる思考が、次々と止めど無く沸き起こる。
決めた、やっぱり今日は休もう。
「あ〜〜〜しもしも?オレオレ!!今日休むからよろちくび!」
「あ〜〜シモシモ〜〜オレオ〜レ〜〜ぴぇ!」
こうして、昨日から1日半以上の時間を3階層のボス部屋で過ごし、ハウスから出たタイミングで再度ボス戦となったのは俺の自業自得です。
他探索者の皆様方におかれましては『いつまで待っても3階層のボス部屋が開かない』現象を起こしてしまい。大変申し訳ございません。
お願いだから、探索者組合で話題に上げないで下さい。セグさん(組合専属の探索者)に相談しないで!原因を究明しようとしないで、お願い!!
そして俺は、もう2度とボス部屋で酒は飲まないと固く誓った。
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