第55話 念願の増坪
宝箱。
それは、挑み続ける探索者達への報酬
または、欲望に飲まれた愚か者への制裁
そのどちらかが詰まった物だと俺は思っていた………この宝箱を開ける迄は
いや、すみません…カッコつけました。本当はセディール達と開けた宝箱の中身が良かったから今回も……って期待してたんです
ええ、そうですよ?バッチリ期待は裏切られましたが?え?宝箱の中身?
『使う予定の無い効能の瓶』と『怪しい含みを持った魔導書』と『人間辞める粉末』だよ!!いつもの俺の引きだよ!!チキショーーーー!!
【精力剤(中)】…数時間精力を増強させる薬】
ゴブリンの時より無駄に性能が高くなっていやがる……街に帰ってから売却決定
【速射の魔導書……魔法等が速く放てる様になる魔導書。速さはレベルに比例する】
魔法等と言う言葉がとても引っ掛かる。魔法以外に一体全体、何が速く放てると言うんだ?俺にピッチャーでもやれってのか?だったらバッテリーを組むからキャッチャー用意しろや!
【ドラマッシュの粉末……服用すると中枢神経に作用し、麻痺・幻覚・酩酊・狂乱の症状を引き起こす。フラッシュバックもあり、常用性が高い】
はい!これはどう見てもマジックなマッシュルームですよね?!しかも多量に!!麻痺以外の効能も付いてるし、これ組合で売れるのか?それより、こんな物騒な薬を所持してたら捕まりそうだよ!さっさと等価交換するべきだな!よし!そうしよう!
「……はぁ。何でこんなのばっかり…………」
「ぴぃ?もえ〜?」
「ああ、俺も燃え尽きちゃいそうだよ」
「ぴぃぴぃぴぇー!」
肩に乗ったピー助が慰めのつもりか、耳たぶをツンツンと啄いて来た
…………ありがとうピー助。でも痛いよ……今の所ピアスの穴は不要だから、啄くの止めようか?
ピー助を両手で包み、落ち着かせよう
すると今度は指の間に嘴をブッスブッスと刺し始めた。何が楽しいんだか知らんが、執拗に刺して来る。腹でも減ったのか?
「………ピー助、腹減ったの?飯にするか?」
「メシぴぇー!!」
「あ、はい。食いたかったのね、分かりました」
「メ〜シ〜メ〜シ〜も〜え〜ピィーーー!!」
ピー助さん、メシを燃やしたら食えないでしょうが。
ハウスを出して、俺は作り置きと出来合いの物で飯としよう。あーー!ビール飲みてぇ!
ピー助は、街で買っておいたシード類にドライフルーツ、ボイルしたウサギ肉を並べて好きに食わせてみた。
雑食で、
最近になって俺の肩に乗り始めたから『鷹匠』みたいなガードをしないとダメかもな。後は、くれぐれも頭頂部には乗らない様にさせないと。俺の毛根が死んでしまう。
早速、ピー助はモシャモシャと出したメシを食い散らかしている。ボイル肉もお気に召した様でなにより。
あ〜〜〜〜やっぱり酒飲みてぇ。
今日は次の階層に行ったらハウスの設営場所決めて休もうかなぁ…。休んじゃおうかな〜。
よし!決めた!今日の探索は終了!!
と、その前に………例の薬を等価交換で金に換えてみよう。
「幾らになるかな〜〜〜???」
「ピィ〜〜〜?」
【ドラマッシュの粉末 1袋(1kg) 85万ゼル】
「…………………………は?!」
「ぴぇ?!」
ま、ま、ま、ま、待ってくれ!何でこんなに高いの?!え?!
嘘?!
「…………ステイだ…俺〜!落ち着け〜先ずは深呼吸をしよう……ひっひっふぅ〜〜〜!」
「イクぴぃ〜?」
「ああピー助、大丈夫……何かキメたみたいになっちゃったけど、俺は逝ってない!」
でも嬉しい!キタよコレ!1坪交換出来るぞ!ヤッホーー!
超久しぶりにタッチパネルを操作して、仮設キッチンの先に1坪増やす。そして新設するのは風呂だ!もうこの際3点ユニット(風呂・洗面・トイレの3セット)でも良いか?と迷ったが、やっぱり独立させよう。
そして、工期約1分で出来上がった浴室のドアを開けると………何と言う事でしょう!
広々とした浴槽は、足を伸ばせるゆったりサイズ。肩まで浸かれば、日頃の疲れもブッ飛び間違いないでしょう。
洗い場は、酔って入っても安心の滑りにくいフロア素材を採用。
そして、シャワー横には便利な棚板付き。シャンプーやボディソープを置くのに配慮した親切設計。
もちろん、ボタン1つの自動お湯はり。
「…………裸祭じゃーーーー!!!!(入浴)」
「ぴきゃ!」
その日、俺は
クリーンの魔法のお陰で汚れてはいなかったが、とーーーーーーーっても気持ち良かった!
そして、湯上がりビール最高!!!
もう1杯!!!
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ギフト、コメントを頂き、ありがとうございますm(_ _)m!
良くも悪くも影響が出てしまう豆腐メンタルの為、余裕のある時に拝見しております。
個別のお返しが出来ず、申し訳ありません!
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