53話目 盗るのは油揚げだけにしろ!
山に登ってから、度々“トンビ”に襲われた。そして、ご多分に漏れずコイツもデカい。
あの鳴き声で存在を認識出来たが、最初は超高速で飛来して俺の手から串焼きを掻っ払っていった。
唖然として空になった自分の手を見る。
そこで不意に思い出したんだ。以前友達と行った江の島近くの海で、トンビにフランクフルトを奪われた事をな!!それを見た友達は馬鹿笑いをしながらも、自分のファ○チキを隠す様に両手で覆った。
クソ!俺もファミ○キにすれば良かった!!
人が密集してない開けた場所は、浜辺以外でもヤツ等の縄張りらしく、無防備な観光客はターゲットとして美味しい餌認定をされていた。
俺がフランクフルトを盗られた場所も、駅からそう遠くない海へ向かう歩道の上だったからな。
そんな観光地のトンビと同じく、このダンジョンにいるトンビは探索者から食い物を奪う事を覚えた、盗人猛々しい野生を忘れた鳥だ。
そんなヤツ等に情けは無用。
鳴き声を聞いて、餌の串焼きを手にしたら、水玉をスタンバイさせる。
トンビは、カツオドリやミサゴじゃないから水にダイビングして餌を採ったり出来ない。なので、水玉に態と突っ込ませ速度と自由をある程度奪ってから剣で倒す方法を取っていた。
「アホ鳥め。これ以上お前にやる串焼きはねぇ!勿論、ピー助もやらねえよ!」
「ネェーぴー!」
そう。ヤツ等は肩に乗る練習をしていたピー助も捕食対象として狙って来たんだ!
マジ許さん!!
倒してもダンジョンだから無駄だと分かっているが、もう敵認定したので見かけたらトンビは撲滅が確定だ。
トンビが狙いを付けて、俺の串焼き目掛けて
だがな、伊達に魔の森(俺命名)でレベルアップしてないぞ?不意打ちでなければ見えるんだよバーカ!
タイミングも何度も倒してバッチリ感覚を掴んでいる。水玉生成もよりスムーズになって、生活魔法の中ではクリーンの次に重宝して使っていた。
逃げられない距離まで飛んで来たのを見計らい水玉展開!
そしてこんな時なのに、俺は突如ある病を発症しそうになった。だが、ざわざわと頭を
俺が恐れた病の名『厨二病』。それに罹患した場合、俺は不要な魔法の詠唱(技名)を口にせずにはいられなくなるだろう。
一度でも『領○展開』みたいにカッコつけて言ってしまえば、この先も気に入った魔法に痛々しい名称を付けた可能性が高い。
他の探索者が無詠唱で魔法を使っているのにも関わらず、一人で唱える痛さと言ったら、若返ってもしてはいけない過ちにしかならない。
分かっているのに、それでも口に出したくなるのは何故?
15歳と言う年齢のせいなのか、潜在的に望んでいた何かがあるのか?
行き先も分からないまま、盗んだバイクで走り出す事は無くとも、
この異世界に詠唱が必要な魔法があれば、俺は喜々としてその文言を口にしただろう。どんなに長くとも全て覚えて、時折『無詠唱でも出来ますけど何か?』ムーブを出して、他の人にウザ絡みした可能性が高い。
会ってはいないが、俺以外の転生者の中には同じ事を考えたヤツがいるはずだ。もし何処かで出会えたら、思いの丈を心行くまで語り合いたいものだ。だってせっかく異世界に来たんだしさ。
そう下らない事を考えている間に、トンビの着水音がしたのでそのまま剣を振るってトンビを両断した。……またつまらぬ物を(以下略)。
トンビのドロップは羽と鋭利な爪、それと『奪取の魔導書』。
俺に盗人にでもなれと言ってるのか?!
もっとマシな魔導書寄越せや!!
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
更新が遅くなっています
すみませんm(_ _)m!!
それと言うのも『いずいしさんがまだ出会っていない小説をご紹介したます!』と某会社がゲリラメールを送りつけて来るからなのです(言い訳)
その為、投げれる時に投稿致します
『カク』<『ヨム』の比重なのです〜
最近読んだ中では、
Y.A様 著
『(仮題)異世界で死にかけた少年と入れ替わった独身アラフィフサラリーマン、スキルが『絶対無敵ロボ アポロンカイザー』だった』
読んでたらスパロボやりたくなった……そして技名を叫び(叫ばせ)たくなった
お気に入り登録済の…
甘党羊様 著
『血塗れ不死者のダンジョン攻略』
ぶっ壊れ感がとても好き
『異世界転移したけど、果物食い続けてたら無敵になってた』
……の更新も去年から待ってるんだよ……(人のことは言えない)
そして、今まで読まなかった『恋愛』ジャンルを読み出してしまい、婚約破棄からのザマァ〜ハピエン厨に罹った
これはもう治らない重症
カクヨムコンが終わって、更新頻度が下がった作品も多く気分はあみん
待ってるからなぁぁぁぁーーーー!!!(スーパー風味)
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