47話目 メタボ対策はあるのか?

「ふーーー腹いっぱいだ〜」

「フーーーハーイーパイぴー!」



 うん、確かに君もご飯を食べたから腹いっぱいのはずだ。この調子で言葉を覚えたら、その内『こんな飯食えるか』とか『足りねえぞ』とかそう遠く無い未来に言い出しそう。


 動物を飼ったのはこれが初めてだけど、気に入らない飯をひっくり返す困ったちゃんには、ならないで欲しいと願う。


 そして、俺の魔力欠乏と引き換えに得たデザートのスイカは、甘くて瑞々しくて美味しいスイカだった。


 そして思った……

 『これが俺の魔力の味か……』と。


 それはさて置き、改めて2階層を探索しよう。で、今日は3階層へも出来れば行きたい。……またあんなイレギュラーボス戦が起きないかは心配だけど。


 ……それにしても、何であんな合体スライムが出て来たんだろう?俺が倒し過ぎたからとかじゃ無いよね?



「さあ、行くかー!」

「イクぴー!」



 次の階層へ向けて出発!道々討伐をして魔導書を稼ごう。


 等価交換で試した所、『魔弾』が500ゼルだったのに対して、多淫→1600ゼル、産卵→2100ゼル、多産→2500ゼル、鷹揚→1400ゼルと、倍以上の交換価格だった。


 セディール達に街での魔導書の売却価格を聞いたら、魔弾よりは高いけど需要が無い為、2階層の魔導書は一律300ゼルだと言っていた。


 なので、良かったら1冊500ゼルで譲ってくれないか?と怪しまれない程度の色を付けて持ち掛けた。


 戸惑いつつも、3人共売ってくれたので、全部で97冊の魔導書を購入出来た!


多淫→8冊✕1600ゼル

産卵→24冊✕2100ゼル

多産→31冊✕2500ゼル

鷹揚→34冊✕1400ゼル


 支出48,500ゼル、収入188,300ゼルで、139,800ゼルのプラスとなった。


 残念だったのは、2人が主にチイカウ狙いで討伐していたから、単価が安いのが多かった事かな。でも、これはしょうが無い。ビーフジャーキーとコンビーフを作るのに必要だからね。



「あ、胡桃クルミ発見!」

「ア!クぴぴ!」



 ピーカンナッツと胡桃クルミ以外にも、街で売っていた栗とヘーゼルナッツがここで採取出来た。


 ピー助が離乳?したら何を好むか分からないんで、とりあえずは色々と集めてる。


 俺も食うし。


 聞いたところ、おしゃべりインコは雑食だから何でも食べるらしい。ただ、1つの食べ物に偏食しがちだから、満遍なく上げる様にとアドバイスを貰った。


 分かるわ〜。俺も一時期、燻○銀のカシューナッツにハマって腹壊す程食ったからなぁ…。


 仕事していた時は、昼飯を食いに行けなかったから、ひたすらサラダチキンを齧ってたし、夜は反動で中華とかコッテリした物ばっかり。健康診断でありのままを晒したら、血液検査の結果が凄まじくドロドロしていて、問診の先生に血液サラサラになる薬が貰えないか相談したら、甘えるなって怒られたっけ……。


 それからは、野菜食って(ジュース)と運動(階段を使う)を頑張ってたのに死んじゃったしな。


 こんなことなら、やっぱり好きな物を食っていれば良かった!

 クソっ!!胡桃クルミを見てたらトッ○スのチョコケーキを食いたくなったぞ!パパシューでも良い!

 とにかく美味いスイーツ食いたい!そう言えば、異世界ではデザート系にまだ出会って無い。素材そのままのドライフルーツもたまには良いけど、やっぱり動物性脂肪マシマシの加工品には敵わないよな……俺、ビ○ガンでも無いし。



「あ〜〜〜チョコ食いたい!」

「ア〜〜〜チョークウぴーー!」



 …………………もし、今後ピー助がメタボになったら、絶対に俺のせいだな。


 飛べないインコにならない様に注意しよう。


 それとも、脂肪を流すポーションとか無いのかな?あったら俺も欲しい。アラサーになった時の為に。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る