45話目 3人との別れ

 昼食後、セディール達に入手出来る材料で作れるレシピを伝えて、午後も2階層を可能な限り一緒に回った。


 今後の予定について確認すると、3人は本当は俺と初めて会った時、街へ戻る為に1階層のセイフティーエリアまで上って来たらしく、レシピを教えて貰いたくて再度2階層に潜り直していた。



「カイ、本当に大丈夫なのか?俺達なら直ぐに戻らなきゃいけない訳でも無いから、ダンジョン巡り付き合うぞ?」

「「そうそう!」」

「大丈夫だよ。今までもそうして来たし、コイツがいるから無理は出来ないからね」

「ぴ〜〜!」



 そんな話をして、3人とは1階層への階段近くで分かれた。


 ワイワイ連れ立って回るのも悪くは無いんだけどね………。それにせっかく教えたレシピがあるんだから、そっちをモノにする為にも、街に戻ってしっかりメニューに反映させて欲しかった。


 セディール達には、コロッケ、メンチカツ、ハンバーグ、豚カツ、唐揚げ等のおかず系と、ホワイトソース、ブラウンソース、鶏ガラスープ、豚骨スープ、牛テールスープの各種出汁が取れるスープを教えた。


 加えて、それを使ったレシピ案も伝えてある。ソルスにはプラスで、是非ソーセージを、スコットにはラップサンドを作る様にと伝えた。


 2階層の魔物『ポクチー』と言う小ぶりの豚の魔物が、ドロップとして肉以外の物も落としてくれたからだ。


 各種部位の肉と、スープに出来るガラに、モツ、綺麗な状態の腸もドロップしたからだ。


 なので、ソーセージ種を串にくっ付けた、皮なしソーセージと、皮付きソーセージ、更にチーズと茹で卵をスモークする様に強く教えておいた。勿論、半熟味玉のレシピと共にな……。


 後は、甘い物以外は試しにスモークしてみろと、ソルスのチャレンジ精神を奮い立たせ、酒のつまみ充足の一助としての活躍を願った。



「………カイ。俺達、街に戻ったら、教えて貰ったレシピを必ずモノにしてみる!だから、カイも街に戻ったら絶対に食いに来てくれ!」


「俺も!甘い物をサンドするなんて考えもしなかった!それに『コロッケサンド』と『ロールサンド』!色々な種類を作って待ってるよ!」


「俺……俺……こんなに燻製の可能性を教えて貰って本当に感謝してる!ありがとうカイ!俺も色々な燻製にチャレンジする!あのチーズと木の実の燻製………美味くて食うのが止まらなくなったもん!」



 皆の力強い言葉に、街メシ新規メニューへの期待が膨らむ。


 やっぱり現代っ子としては、異世界でも楽して手軽に美味いものを食いたいよな。


 じゃあ俺はグルメは3人に任せて、もう少しダンジョンを巡って行こうかな。


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