44話目 ダラダラ2階層〜昼飯

「ごめんね……カイ。2階層で採取場所を教えるって言ってたのに、俺達つい何時も通り好き勝手に動いちゃって……」



 昼休憩時に、我に返った3人からの謝罪中です。俺も自由に出来たし、採取も討伐も特に問題無くやってたから、別に気にして無いんだけど。



「大丈夫だぞ?討伐の協力が必要な魔物もいなかったし、その都度、採取物も教えて貰ったからな。お陰で探す手間が省けたよ」

「そう言って貰えると助かるよ。………所で何を作ってるか聞いても良いか?」

「俺もめっちゃ気になってた!」

「そのまま食べても美味しい燻製だよ?それを使ってどう調理するの?」


 ふふふ……ピザだよ、ピザ!!


 セディールからはポクチーステーキを、スコットからはコンビーフを、ソルスからはコッココ(ニワトリ)のスモークチキンを提供してもらった。


 作り置きのピザ生地にそれぞれトマトソースを塗って野菜等を散らし、提供してもらった肉をカットしてチーズを乗せれば、あとは焼くだけの簡単メニュー!


 ピザ釜は無いけどフライパンを使って、テントの中で只今絶賛調理中〜。


 スモークチキンだけは、ホワイトソースと玉ねぎとキノコを使ったピザにしている。


 こいつで、3人がホワイトソースの魔力に目覚めること間違いない!!



「……ふわ〜〜!良い匂いがして来たよ!」

「そうだな。そろそろ良いかな……」



 落着きなくしているソルスに催促され、フライパンの蓋を開けた。


 生地に火が通って、乗せたチーズが溶けていれば完成だ。釜と違って、上面に焦げ目が付けられ無いのは御愛嬌さ。


 湯気と共に香りが立ち登る。

 そこには、ふっくらした生地と、良い溶け具合のチーズがフライパン一杯に広がっていた。



「何これ?!すっごく美味しそう!!」

「あっという間に出来るんだな?手軽だし、テントがあれば気にせず作れそうだ!」

「ねえ!早く食べようよ!!」



 俺のも入れると4つのフライパンとコンロがあったんで、具を変えて同時にピザを焼いた。


 セディール達は料理人の修行で来ているだけあって、テキパキと指示通りにピザの準備をしてくれて助かったよ。

 

 先ずは、俺提供のピザから。

 ニンニクとベーコンたっぷりのジャーマンポテト。もちろん、チーズの代わりにマヨをたっぷり掛けてます。

 それと、牛象くんのプルコギ風ピリ辛焼き肉を乗せた2種をハーフ&ハーフで。


 続いては、セディールに提供してもらったポクチーステーキを5mm幅に切って、茹でたアスパラのスライスとバジルをトッピングし、チーズと一緒に焼いた。


 スコットのコンビーフには、サイ○リヤの真似をして作った、爽やかなニンジンサラダとさらし玉ねぎを一緒にサッと和え、粗挽き胡椒と粒マスタードを効かせてある。


 最後にソルスのスモークチキンだけは、ホワイトソースを使用した。チキンはスライスし、バターで炒めたキノコと玉ねぎと共にたっぷりトッピング。


 フライパンで作ったからMサイズぐらいかな?きっと、4枚じゃ足りないだろうから、食いながら次のピザを準備しようか。


 それぞれ1/4カットに切り、皿に取り分けたらみんなに渡す。



「さあ、じゃあソルスが涎を垂らす前に食べようか!」

「もう垂れてる!!」

「はは!カイ、ありがとう!頂くよ!」

「俺も!いただきます!」



 どうやら自分の提供した食材がどう調理されたかも気になってた様で、それぞれ真っ先に手を付けていた。



「おいひい!おいひいよ、カイ!ちゃんと燻製の香りが残ってるし、そのまま燻製を食べなくても調理のレシピを紹介すれば、もっと売上が……?!それにこの白いソース何?!絶対に教えて!」


「…本当美味しい!これ、サンドの具にしても良い?彩りも綺麗だし、いつもよりさっぱりした感じになって、女性受けが上がるかも!」


「ステーキ肉をこんな風にするなんて……肉の下味が残ってるから、うちのステーキだって分かるし。……そうだ!食べきれずに残した人向けにリメイク調理サービスをして、別に料金貰って提供すれば……!」



 それぞれの思惑がだいぶ赤裸々に漏れてるな。売上も考えられる跡継ぎには、今後の更なる発展の為にレシピの提供は惜しまないよ!


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