42話目 ダラダラ2階層①
テントの中で残りのお宝配分を終えた頃には、『安眠毛布』に包まったソルスがベッドで横になっていた…………………自宅かよ。
「俺はこの『安眠毛布』が貰えたから大満足!家に戻っても使えるし、とっても触り心地が良いんだ!こんな毛布初めてだよー!!」
「分かった、分かったからもう仕舞えよソルス……ほら!用意をして2階層を巡るぞ!」
セディールにお尻を叩かれて、ベッドから重い腰を上げたソルスは、名残惜しそうに『安眠毛布』を収納した。
配分の結果、俺は『魔鞭の魔導書』と『衝撃緩和のマント』を得た。
テントを譲ってもらった分だと言って、良いのを頂けたなー。
結果『収拾』も含め3つも貰っちゃって悪かったな〜と思っていたら、セディール達が……
『カイは『衝撃緩和のマント』で防御力を上げておいた方が良さそうだ』と、セディールが言い
『そうだな……さっきみたいな特殊な魔物との遭遇もあるからね』スコットが同調する様に続いた。
『俺もそう思う!1人で動いてるなら、どんなに厚い防御をしても、し過ぎじゃないからね!それにダンジョンの中じゃ、運が悪いと誰も助けてくれないよ?早くおしゃべりインコ以外の仲間を見つけなね?』………うるせぇソルス!
俺の旅はまだ始まったばかりなんだよ!
これから仲間として、あんな娘(ケモミミお姉さん)やこんな娘(ボクっ娘エルフ)が仲間になるんだ!きっと(願望)!
だが『衝撃緩和のマント』を譲ってもらえたのは正直ありがたい。
そりゃ、あのテントも凄いよ?でもこのマント、受けた衝撃を『半減』だぞ?
魔導ダンジョン用に買ったホグ○ーツ風ローブは、防耐・防魔だけどプラス30の効果しか無い。それが物理だけでも衝撃が半減されるなら最高だろうが!
そして、それ以外の配分は…
セディールが…
『ゲルの魔導書』、『魔力回復薬』
スコットは…
『散弾』、『ゼリー軟膏』
ソルスは…
『安眠毛布』、『融合の魔導書』
セディールに、何で『ゲルの魔導書』を選んだんだ?と尋ねたら『だって、持ち帰りのスープにこのゲル魔法で加工したゼリーを入れたら、程よいトロみのスープが渡せると思ったんだ!』
おっ!なるほど!コンビニのスープみたいなもんだな!増粘多糖類だと思えば、温めて液体に戻る程度の粘度を維持出来る!それにあの『ほぼ具』のスープは是非とも改善してもらいたい!
それをセディールに話したら、やる気のスイッチが入った様で、容器の改善や、スープの種類を増やそうと、2階層を歩きながらも次々に構想を話して来る。
俺はクリーム系のスープもバリエーションの中に欲しかったんで、昼休憩の時に在庫のクリームシチューを食って貰うつもりでいた。
本当は、クラムチャウダーが良かったけど、今の所必要な素材が見つからないので断念。
3人に案内してもらいながら進んで行くと、何か見付けたセディールが声を上げた。
「あった!カイ、これは香草の一つでバジルって葉っぱだ。スープに入れても良い香り付けが出来るんだ!」
「ああ、ありがとう!」
セディールは昨夜の夕飯を食ったせいか、俺を料理人かなんかと勘違いしてると思われる。
まあ、日々の食生活維持・改善には丁度良い。
そのフレッシュバジルを手で摘むと、日本で感じた以上の香りが立って来た。
よし!トマトもあるしチーズもあるから、昼飯はピザにしよう!
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