36話目 魔導ダンジョン 1階層①
「はぁ〜〜やっと着いたか。街から一番遠い場所だけあるな…」
「ハ〜〜ぴぴぇ!」
魔法防御対策をして、やって来ました『魔導ダンジョン』!魔導書たくさんくださいな〜♪
辿り着いた『魔導ダンジョン』は未攻略で、現在は17階層まで確認されているそうだ。
出て来る魔物は階層ごとに異なり、フロアボスも居る。各階共に広く、そのせいかセイフティーエリアも階層ごとに備わっているらしい。
魔物が魔法を放って来る事が多く、スライムだろうとウサギだろうと、結構な頻度で撃って来るから気を付けろとジグさんに言われた。
「先手必勝で倒すに限るけど、どのくらいのスピードで魔法を使って来るかだよな…」
「スーぴぃ?」
「ス ピ ー ド、だよ」
「スーピィーオー?」
俺の言葉を真似て話すピー助の頭をちょいと捏ねて、ゆっくりダンジョンの入口を通った。
ここでの対魔法防具として、街で買った膝丈のフード付きローブを着用済だ(33万ゼル)。
これで俺も見た目だけは魔法魔術学校の生徒の一員だと言っても差し支え無いだろう。年齢的にも痛くないはずだし(異世界年齢15歳)。
高まるプライスレスな着用時の高揚感に、立派な魔法使いに俺はなる!(ある意味成りかけ)と決意した。
そして、念の為ピー助にも何か防御になる物をと思って街で探したけど見つからず、『等価交換』になけなしの31万ゼルを入れて、交換をしたら『守りのリング』が出て来た。
【守りのリング……耐物・耐魔 防御力プラス31】
ピー助の脚に通したら、キュッと小さくなってぴったりフィットした足輪になった。プラス31の防御力がどれほどか分からないけど、無いよりかはマシだろう。あとはポーチごとローブの内側に入れておけばいいな。
そうして初潜入したダンジョン内は、まるで遺跡の様な雰囲気だった。4方全てが風化した見た目の石積で、仄暗く独特な空気感。……何だろう…魔法を使う魔物が多いせいかな?
「とりあえず進むか。魔導書一つで500ゼル〜『麻痺』が出たらウッハウハ〜!」
「ウッピピピ〜♪」
最初の狙いはスライムだ。ゼリーの方がドロップ率は高いけど、魔石の交換価格50ゼルに対して10倍とかマジで助かる!
索敵をしつつ進み、ボチボチ点在している探索者を避け、スライムを探しに行く。
そして入口から5分ほどの場所に複数反応を探知。ソっと先を覗くと何時ものスライムより少し濃い色をしたスライムが集まっていた。
「わ〜〜〜…ちょっと多いな。最初は少数で様子見したかったんだけど…」
「ぴぇ?」
洞窟ダンジョンほどでは無いが、結構なスライム軍団が出来上がっていた。ものは試しだ、最悪反撃が追いつかなかったら逃げればいい。
先ずはスライムが集まっている場所に向かって、『火矢』を続け様に放った。着弾と共に近付き剣で倒せるスライムを先に切り倒して数を減らして行く。
視界には、その場から動かずモゾモゾと何かをしているスライム達がいる。……あれが魔法を撃つ前の動作なのか?
まあ、それを待ってやる義理も無いんで、手早く剣で切り裂いて行った。ただ、全てのスライムは倒せず、何匹かに『魔弾』を放たれてしまう。
しかしスライムが放った魔法は、ひょろひょろ〜と、かなりゆっくり俺の方へと飛んで来る。え…?こんなにゆっくりなの?ツーシームとか追尾型じゃないよね?
『魔弾』の着弾位置から避けて様子を見ていると、スライムの魔法はそのまま地面にボスッと音を立てて落ちて消えた。
何と言うか………俺の気合が空振りしたみたいだね。でもスライムだしな…きっとこれからだ。油断大敵。
残りのスライムも魔法に注意しつつ着実に倒して行く。
ふふふ!魔導書がドロップしてるよ〜〜!!
範囲内のスライムを全て討伐し、お待ちかねの回収ターイム!ゼリーが26個、魔導書は13冊だ!イエス!この短時間で6,500ゼルゲット(ゼリーは除く)!
「他のダンジョンでは得られない時給ですな!ついでに『麻痺』の魔導書がもう1冊手に入ったら1冊予備として置いて3冊目は売るぞ!」
【魔導ダンジョン 1階層途中経過】
名前 周防 海(すおう かい)
性別 男
種族 人族(夢見がちの転生者)
レベル 275(保有ポイント10)
体力 600/600
魔力 635/685
精神 570/570
瞬発 570/570
器用 570/570
魔法
生活魔法 48/100
鑑定 MAX
索敵 42/100
魔弾 26 /100
火弾 17/100
土弾 18/100
水弾 18/100
風弾 21/100
魔矢 13/100
火矢 12/100
土矢 12/100
水矢 12/100
風矢 12/100
麻痺 23/100
スキル 等価交換 25/100、体力変換28/100
所持品
アイテムバック(所有者限定)
転生者の剣(所有者限定)
次元扉【認識阻害付き】(所有者限定)
防御のローブ(耐物・耐魔)
所持金 約2万7千ゼル(初期所有のゼルを除く)
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