34話目 2階層は鬼門?
ん〜〜〜〜何が目的のストーキングだ?
監視か?ハイエナか?それとも………ナンパ……は無いな…ついて来ているの野郎だしなぁ……残念。
ドロップを拾いながら背後を伺うと、距離を取ってコソコソと枯れ草に隠れる17〜8歳くらいの3人組の姿が見えた。
今の俺は、言ってみれば中坊のガキだ。
悪い想像をするなら、カツアゲ目的で後をつけられるとか、アイテムバックを狙ってるとか、実は貞操の危機とか………〜怖っ!!
それに、残念ながら性善説を肯定するほど純粋では無い。俺は既に幼稚園の頃、年長さんだった隣家のクソガキに、狡くてセコい人間と言う者がどんなヤツかを教えて貰ったからな。社会に出てたら尚更だ。
しかも3対1………最悪『大介』に逃げ込めば良いし、どうにか出来るだろ。
でも、『大介』は最終手段として使いたい。加えてこっちが不利にならない様に立ち回らないと、またアホジョン案件の様になり兼ねないし。それに何とな〜く、ヤツ等の感じから慣れた雰囲気が出てるんだよね。
一番良いのは、3対1でも敵わないと思わせる事か?
それなら、ここで無双でもしてやる気を削ぐか………あ、いい事思いついた♪
そして暫く様子見して、まだしつこくストーキングを続けでいた3人組に『麻痺』の魔法を放った。
効果は上々で、一発で3人共麻痺し、驚いたアホ面を晒して中腰のまま固まっていた。
それじゃあ、お話しましょうか〜?
「…………よぉ、ご苦労さま。お前等さっきから人の後を付け回して何のつもりだ?……あ、悪い悪い!聞いても口が麻痺して話せなかったな!……そうだ、確か探索者組合約款には『ダンジョン内で起こった事は全て自己責任とする』ってなってたよな〜?じゃあ、面倒だしお前等ここで事故っておくか?どうする?」
「……ッ!!!」
「くっ………」
「ひっ……!」
俺がそう言うと、メンチ切り、驚愕、半ベソと、三者三様の表情で見返して来た。
半ベソ君は落とせそうだな。
メンチ切り君と驚愕君には追加で『麻痺』を放ってぷるぷるを継続してもらい、半ベソ君の麻痺が治まるのを待って聞き直した。
「もう一度聞くけど何の用かな〜?素直に話してくれたら見逃すかも!」
「………あ…あ…お、俺達は…頼まれた…だけで……だから……あの………」
「ふ〜〜ん…。誰に、何を頼まれたって?」
「……ジョン…に……お、お前を…その…痛めつけろって…」
ああ…なるほど。やっぱり2層目はアホジョンのせいで、俺にとっての曰く付きになってたんだ。
あの時の話っぷりから、親父が権力者でアホジョンはその威を借るバカ息子ってポジションなのは分かってたけど、三下使って仕返しとかやることセコいな〜。
相手するのも面倒くさっ。
「俺さ、用事があるからお前がコレ持って探索者組合に正直に話をして来てくれるか?それでこの事を収められる人を連れて来てよ。」
「…え??あ、で…でも…」
「早く行けっての。俺が言った事を違えるなよ?他の探索者じゃないからな?ちゃんと組合に言いに行けよ?………それと早くしないと、この2人、動けないから魔物に食われちゃうかもよ?俺は別にどっちでも構わないけどさ〜」
「!!わ、分かったよ!」
半ベソ君に麻痺中の2人の探索者プレートを持たせ、組合へ行くように指示をして走らせた。頑張ってね〜半ベソメロス君〜!!
その後ろ姿を見送って、俺はまた討伐を始めた。
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