14話目 朝飯はしっかりと

まったく『のんびり』感が出せなかったので、タイトル変更しました。





□ □ □ □








「ぴ!ぴ!ぴ!」

「…………あい………いま…起きる………お…きる……よ……」

「ぴーーー!」

「………ったくも〜……アラームかよ…………うるっせえ……」



 のそりと起きて、飯の用意をする。


 勿論、俺のじゃなくて昨日拾ったインコの飯だ。


 赤ん坊と同じで、飼育する際の給餌は3〜4時間おきらしく、飯をくれとピ〜ピ〜鳴く。



「……ほら、飯だぞ」

「ぴい!」



 こうして、朝イチでティースプーン1杯強の飯を雛鳥に食わせたら、俺も自分の飯を準備して食うとするか。


 

 俺は朝はパーーン派なんで、『等価交換』で、高級パンと指定して交換をしたら、なんとかイギリスパン風の食パンをゲット出来た。


 ただ、俺の知ってるイギリスパンよりも、モタッと目が詰まったパンだった。


 どうやら、ふっくら柔らかい、ロイヤルなブレッドは異世界では望めないらしい。




 あとは卵だ。


 卵はあった。割ってみたら、異なる1点以外は、ちゃんと俺の知ってる卵だ。


 サイズがな…………ダチョウなんだよ。


 スクランブルエッグ作るにしても、卵液余るし。朝っぱらから、そんなに食えないし。


 しょうが無いから、お玉一杯分の卵液を掬い、使う事にした。




 それと胡椒な!!粒で寄越すなよ!!


 お陰で、使う前にすり鉢でゴリゴリしなきゃならいし、容器に移す時にはクシャミが出るしで大変だった!



 今までいたのは、至れり尽くせりが当たり前の世界だったんだなと、ここに来て改めて自覚させられた。



 ただ、チーズとソーセージは、こっちの方が断然美味い!


 チーズは味が濃厚で癖も無く、お高い飲み屋で頼むと出て来るチーズの盛り合せに有りそうな………オランダとかの酪農が盛んな国のチーズっぽかった(イメージ)。


 ソーセージもだ。太くて、肉々しくて食いでのあるソーセージだ。ハーブが効いているせいか臭味もなく、焼けばパリッとジューシーに仕上がり、ビールとの相性も抜群だろこれは!



 それと、根菜のスープを添えて俺の朝飯が完成!



「あ〜〜朝飯食ったら今日こそ街へ行くぞ。小袋に金も分けて入れてあるし、ピー助(インコ)を入れるミニショルダーバックも用意した……あとは何かあるか?」



 そうだ。草原で狩ったスライムの素材とミニウサギ(俺比)を街で売れるか試そう。

 剣は………仕舞っとくか。ナイフだけで充分だし。


 そして、使い終わった食器やフライパンは『クリーン』で一発洗浄!これ超楽ちん!


 ついでに部屋の中もクリーンで綺麗にしてから、外に出て『大介』をしまう。



「よし、サッサと進もう!」

「ぴ!」


 おしゃべりインコは、既に人語を理解し始めているのか、相槌のような一鳴きをして応えて来た。目もまだ開いてないのによ。




 快晴の草原を今日も進む。俺の予想では昼頃には到着するだろう。



 サクサクと進み、途中見つけたスライムとミニウサギは討伐していく。


 動物の討伐については、だいぶ耐性が付いた……気がする。だけど解体はやっぱり無理なんで、そのまま獲物を持ってるだけ。


 別に良いんだ。『等価交換』すれば、欲しい素材だけ手に入るんだから。


 ミニウサギは、価格確認の為に『等価交換』をしてみた。結果はスライムに毛が生えた程度だった。


ウサギの角 80ゼル

ウサギの毛皮 120ゼル

ウサギの肉 100ゼル

ウサギの魔石 80ゼル


 トータル 380ゼル…話にならない…。草原に出てからは、経験値は勿論、金も全然貯まらない。



 行きたくないけど、やっぱり森に出張らなきゃならないのか?


 本当に行きたくないんだけど………。



 切実な悩みに鬱々としながらも、歩みを止めずに進んでいると、草の生えていない道らしき場所まで辿り着いた。


 その先には、4〜5人のグループが歩く姿も見えている。



「やっとだ……普通の街だと良いな。何だか、初見突撃営業訪問と同じ緊張感があるぞ」



 眼前には、街を覆う様に造られた外壁。


 城門前には人の列も出来ている。



 さあ、第一関門だ。


 


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