12話目 だって現代人だもの

「あ……抜けた!もうすぐだ!長かった…本っ当ーーに長かったよ!!森は当分懲り懲りだ!!」


 地図上の『森』を示していた濃い緑の部分から、やっと平原に出られた。


 高い木々が無くなり、見晴らしも良好!索敵にも大きな気配無し!それに空気も幾分吸いやすい気がする。


 これだよ、これ!!異世界を始めるなら、こんな平原だよ?普通は!


 そして、この先に街と思われる絵が地図に書いてあったんで、掛ったとしても1日歩けば辿り着けると見越している。



「そろそろ、誰かが作った飯が食いたい!美味い飯屋があればいいなぁ〜。いっそ、屋台でもファストフードでも何でも文句は言わないよ!」



 あれからも討伐した魔物は、全て『等価交換』で金に替えている。一度、野菜を18万ゼル分交換して、やり過ぎだと気づいたんで、そっからは、欲しくなった物は金を入れて物に変えていた。要は普通に購入している様なもんだな。



『大介』の広さは変わって無いけど、備品を補充したお陰で、生活はし易くなったし。



 先ずは木製のベットフレームを購入。入口と反対側の壁際に置いた。


 次に調理台代わりの小さなテーブルとコンロを追加でもう一台。交換した調味料も増えたんで、諸々を置く為の安い棚も買った。


 食料品は、全て『等価交換』で買ったから、俺の大好きな『サービス品』とか『3割引き』や『10%増量中』等の無い定価購入に最初は抵抗を覚えた。けど、魔物討伐の稼ぎが良かったから、その内気にならなくなってしまった。



 ただ、交換出来る物ってこの世界に『有る』物に限定されるのか、レベルが足りないのか、出て来なかった物も多くある。


 先ずは加工品。『鶏むね肉』は交換出来ても『焼き鳥』は出て来なかった。


 調味料もそうだ。『塩』、『砂糖』、『胡椒』等の、その物で成り立っている物は出て来たけど、『醤油』、『ケチャップ』、『ソース』はダメ。


 ただ、加工品でも、あのクソ硬いパンや干し肉は身近な商品だからか交換出来た。


 異世界に来たら生姜焼きを……なんて思ってたけど、生姜焼きのタレは出て来ない。せめて醤油があればなぁ……と、無い物強請りが脳内で発生。更にラーメン・半チャーハン・焼餃子が食いたくなって始末が悪い。




 それと『等価交換』の交換方法で、追加で分かった事が一つあった。討伐した魔物の一部だけを交換出来る事が。



 森で狩った動物の中で、個体数が多かったうずらっぽい鳥(体長約1m)を交換する際に『肉は食えそうだから残したいな…』って思ったら、肉と金に分けて交換が出来た。


 残った肉は丸ごとだったけど、ちゃんと血抜きもされて、適当なサイズに切れば直ぐに調理が出来る状態だった。


 そこで、全体も含めた色々な値段を確認してみたところ………


うずら一羽全て交換……201,300ゼル

肉を残してそれ以外を交換……… 40,500ゼル

羽根を残してそれ以外を交換……169,700ゼル

骨を残してそれ以外を交換………192,400ゼル



 こうして、うずらの値段の内訳を知る事が出来た。因みに、羽根は羽毛布団が作れそうな量になった。骨は鶏がらスープにでも使おう。……デカ過ぎるけど。


 うずらは、肉がほぼ全てと言っても良い位に値段が振られていた。



 しかし、異世界に来るとうずらのサイズも変わるもんだ。これじゃあ、中華丼の上に気軽に茹で卵を乗せる事も出来ないじゃないか。



 こうして、平原まで抜けてこれた段階で分かった事も含め、現在の俺は、努力(強制)の甲斐もあり中々の成長を遂げた。





名前 周防 海(すおう かい)

性別 男

種族 人族(生き残れた転生者)

レベル  274(保有ポイント0)


体力 600/600

魔力 631/680

精神 570/570

瞬発 570/570

器用 570/570


魔法 生活魔法30/100 鑑定MAX 索敵23/100


スキル 等価交換11/100


所持品

アイテムバック(所有者限定)

転生者の剣(所有者限定)

次元扉(所有者限定)



所持金 約463万ゼル(初期所有のゼルを除く)



 俺、超頑張った!

 



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