第9話 採掘開始
ということで採掘作業が始まった訳ですけど。ここ半日のみんなの作業を見て思うのは、効率が悪すぎる。というのも、この世界にはドリルだの、掘削機だのがないのでみんなツルハシで岩を砕いたり、スコップで土を掘ったりして少しずつ鉄の層に近ずいて行っているが、それではツルハシの消費量がバカにならないほどかかってしまうし、なにしろ時間が掛かってしまう。ということで俺はスキルを使ってある機械を出すことにし、みんなを1度集め、俺のスキルのお披露目を行った。
「それではこれから私のスキルをお見せしようと思います。皆さん離れていてください。」
といい俺はみんなを出す予定地から離れさせた。なぜ離れさせたかと言うと、今回は複数出すからだ。向こうの世界で1番有名と言ってもいい重機。そう、ショベルカーを10台ほど出す。久しぶりのスキルの使用に胸が高まっていた。
「行きます!!」
と俺はいい、イメージし始めた。すると目の前に眩い光が出始め、だんだんとショベルカーの形になっていった。
「よし!いっちょあがり。」
と俺はいい、みんなのほうを見るとみんながポカンとしていた。
「俺が旦那の能力。」
「凄いです!!」
と多種多様な発言を各々していたが俺は、時間が欲しかったので申し訳ないが話をし出した。
「これは”ショベルカー"というものです。こいつを使うことで皆さんがスコップで掘っている土や瓦礫などをこれで楽に撤去できるようになります。」
と説明し終わったの同時に、歓声が上がった。確かに最初からここまでみんなの作業を手伝ってきたけどすごく腰にくるし、膝にも負荷がかかる。その点で考えたらそりゃ〜嬉しいよなと思った。
「早速運転の講習を始めたいと思います。希望者は前に出てきてください。」
そういうと赤毛の女の子が前に出てきた。
「元アルバニア騎士団団員のルギリア・スメールです。よろしくお願いします。」
と礼儀正しく挨拶をした。
「じゃあ早速講習を始めましょう。他の皆さんは作業を続行してください。」
と言うとまた各自作業に戻って行き、俺と、ルギリアは、残って、ショベルカーの運転の講習を行った。
数時間後、
ガガガガッ
とショベルカーが土を掘っている音が鳴り響いていた。運転しているのはルギリアだ。ルギリアは器用ですぐにショベルカーの技術を習得し、今や、俺の助けなしで作業をしている。恐ろしい子だよ。彼女は。その後夜になり、作業は終了したが、ルギリアはショベルカーの技術を学びたいという仲間にみっちり教えるため講習会を開いていた。数は先日新しく来た50人の中から数人、もとのメンバーも数人と結構な人数だったので、ここは俺ではなくルギリアがやった方がいいと思い、俺はショベルカーの複製を頑張ってやっていた。同時に"あるもの"の制作にも取り掛かっていた。
次の日、採掘場には機械の音が鳴り響いていた。講習を受けたみんながショベルカーを操縦できるようになっていたのだ。早い。習得が早い。まだ1日しかたっていないのに。恐ろしい。しかし、まだ作業は難航していた。
ガキンッ
とショベルカーがなにかに当たった音が鳴った。
「なんだ?」
とショベルカーの操縦士は確認するため外に出ると、岩の層に当たっていた。そこで1度みんなを集めて事情を聞いた。なんでもいまやっている深さから先は岩の層になるらしい。嬉しい半分、みんなの顔が暗くなっていた。ここから先は、ツルハシを使った作業となるため、これまで以上に肉体労働が増えるからだ。そこで俺は言った。
「突然ですが、皆さんに新たに創ったものを紹介したいと思います。」
そういうとみんながざわつき始めたい。そのまま俺は、
「これはツルハシに変わる岩盤をも、砕くものです。これはドリルです。」
と布を被せておいた。ドリルの布を勢いよく、とりみんなに見せた。
「「おぉ〜」」
と驚きの声が上がる。そのまま続けて、
「それともうひとつあります。」
と俺が言うとそれまでの声がピタリとやんで、静まり返った。そして、
「お願いします!!」
と俺が言うと、
ゴゴゴッ
という音と共に皆さんお馴染みのダンプカーが登場した。操縦してもらっているのは、アリスだ。やはり飲み込みが早い。昨日の夜、枕を交わした後に教えたがすぐにマスターして今やプロ顔負けの腕前である。驚きの声が上がったが続けて俺が、
「これはこれからの鉄の採掘にあたり、鉄の輸送に必要なものです。これを使えば楽に輸送できるようになります!!」
というと、
「ありがてぇ〜。ありがてぇな!!」
「これならいくらでもできるな!!」
という声が上がった。そして、もうひとつ創ったものがあったので、紹介した。これ歯大きいものなので採掘予定地のところでお披露目になった。それが目に入った瞬間みんなは驚いていた。俺が創ったもの、それはバッケトホイールエクスカベーターだ。これはオーストラリアなどで使われている超大型の重機でこれがあるのとないのとでは、掘る速さが全く違うという代物である。しかし、これは今回は見せただけで、今後拡張する時に使用する。そして、そのまま講習会が始まり、より一層作業がしやすくなっていった。
さらに数日後。ついに鉄の原石の採掘が開始した。オーストラリアの採掘場の真似をし、露天掘りで掘って言ったのは良かった。同時ににダンプの同ろもできるし、なおかつ、広範囲で採掘ができるということが利点となっている。さらに近くに製鉄所も建設した。機能は前世でN〇Kでやっていた特集で見た通りのものを創った。正確なことまでは覚えていなかったが、だいたいの機構さえ覚えていれば、スキルの力で修正してくれた。ありがとう、アダマス。最初はウザかったけど良い奴なんだなと感謝した。ひとつの採掘の機関さえ作ってしまえば後はそれと同じ様な機関を作るだけなのでその1週間後、今回は、創っておいた、バッケトホイールエクスカベータをフルで使い、採掘場を尋常じゃない速さで2つ増やし、今は、計3つの採掘場が起動している。思った以上の採掘量で今3つの採掘場合わせて、600トンほど生産できている。びっくりだ。ちなみに溶鉱炉の指導は餅は餅屋ということで鉱業の専門家である、ドワーフの皆さんにちょっと教えたら、すぐに理解し、今や1つの溶鉱炉につき、2人づつついている。そのな数で大丈夫か?と聞いて見たが、多い方が逆に邪魔とのこと。厳しい言葉だ。(ドワーフはアリスが連れて来ていた)。さらに3日後には200人の労働者が来て、採掘場はかなり活気づいてきた。
その日の夜。俺はいつものようにアリスとともに夜を過ごしていた。あの夜以降、アリスと毎晩一緒に夜はいる。幸せだが、いいのだろうか俺でと思っている。
「アッアー♡♡幸せです♡マサト様!!♡♡♡♡」
と、その日は悩み事をしているのも相まって少し激しめにヤっていた。その悩み事とは、そろそろ給料日ということで金を作らないといけなくなって来る。というものだ。ここでは前世と同じように月給制であるためそろそろだ。ここらで、この鉄たちを売り、儲けを出したい。そう考えながらアリスと抱き合いながらベットで寝ていると、
「悩み事ですか?」
と息を切らしながらアリス画聞いてきた。
「はい。実は…」
俺は、悩んでいることを全てはいた。
「それでは商人と会合するのはどうでしょうか?」
と話しを聞き終えたアリスが提案してくれた。
「会合…ですか。乗ってくれますかね。」
と俺は本心を話した。しかし、それを跳ね除けるように、
「絶対に乗ってきます!!!!!!」
と強調してアリスが言ってきた。聞くと、今は、市場には鉄がない状態だとのこと。つまりここで鉄を売ってしまえば、莫大な資金が入ってくるのだとか。チャンスだ、ここで商人たちに鉄を流しておくことで、こっちは鉄を、向こうは、俺らに表で商いをやってものいいという許可を出してくれれば、ウィンウィンなんならこっちの方がお得で済む。これしかないと思った。
「賭けてみるか。これに。」
俺は次の行動に移るのであった。
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