第5話 王国へ1
「俺が相手をしてやろう。」
俺はそう言って緑の生き物の前に立った。さっき首をはねたがなんの罪悪感も出てこなかった。逆に満足感、達成感が湧き出てきた。
「ダークヒーローってこんな感じなのかな〜。」
と自分でも言っていることの意味の分からない言葉を口に出した俺は刀を構えた。
「グギャァァァーーーー!!!!!!」
と叫びながら襲いかかって来ている緑の生き物20体vs剣道なんて中学の授業でやったくらいの俺との戦いが始まった。しかし、勝負はあっという間に決着が着いた。
俺は向かって来る緑の生き物たちと最初から刀で真っ向勝負で戦うなんていう気は一切ない。なぜなら俺には前世の世界で地上最強と呼ばれたアサルトライフルAKMがある。最初、女の子の前に登場したときはカッコつけるために刀を使ったが、今は気を失っている。つまり、もうカッコつけなくてもいいということである。ということで後は簡単。
ステップ1 銃を構える。
ステップ2 モードをセーフティーからフルオートに変更する。
ステップ3 撃つ
以上でこの気持ち悪いカス共のお掃除は終了した。
その後まだ息がある騎士を近くの河原まで運びそこに、赤十字のテントを創り出し、そこの中に簡易ベットを置き、そこに1人づつ寝かせて看病した。とはいっても。消毒や応急処置程度で傷の手当をしたり、包帯を巻いたりした程度だ。あと、点滴を出して全員に水の点滴と栄養が各種入った点滴をした。やったことないのにできたのは恐らくスキルのおかげだと思う。ありがとうアダマス。君のおかげで人助けをできたよ。とアダマスに感謝を述べた。本当にアダマスには感謝だ。
「ん、ここは?」
騎士 アリス・ダイアナは目を覚ました拍子に言った。
「私はゴブリンに襲われて……それで、」
思い出しただけで吐きそうになりアリスは急いで口を塞いだ。アリスはしばらくして周りを見渡た。
(これだけしか居ないのか…)
アリスは残りの騎士数に絶望した。アリス含め3人しか居ないのだ。
(私が無力なせいで、、私が)
アリスは自分の無力さにそして悲しみにより涙を流した。
(いけない。今はそれどころじゃない。今の状況を確認しないと…)
そんなことを考えていると
「お〜。目が覚めたようだな〜いや〜よかったよかった。」
と1人の男が水を持ちながら歩み寄ってきた。
「ッ!!」
アリスは咄嗟に自分の寝ていた場所の隣に置いてあった自分の剣に手を置いた。
今とんでもない状況にいる。美女に殺されそうというとんでもない状況。しかしよく見てみると酷く怯えており、今剣をとても抜ける状態ではないことがわかった。俺はその子に向かって、
「大丈夫か?災難だったな。俺のこと覚えてない?」
と聞いた。なぜなら間違いなく俺が庇ったのは間違いなくこの子だったからである。
「ッ?!」
助けられたことを思い出したのか、その子は剣から手を離した。
「助けて頂きありがとうございます。私はアリス・ダイアナ、第97代アルバニア王国騎士団団長をやっております。あなたのお名前をお聞きしても?」
とアリス・ダイアナは俺に話しかけてきた。彼女は見るからに美女でこの美貌ならどんな男も一殺だろう。
「私の名前は龍宮寺雅人、自分探しの旅の最中でして、戦闘の音が聞こえて…助けられて良かったです。」
と俺は言ってアリス・ダイアナの顔を見るとキョトンとしていた。
「リュウグウジ?変わった名前ですね。出身はどちらで?」
まずい。この世界に日本という国はない。なんとか誤魔化さないと…
「ひ、東のほうにある国です。」
「へぇ〜。私の知らない国はまだあるのですね。」
危ない。なんとか乗り切った。ここは話題を変えて、
「アリスさんはどうしてあんなことになっていたのですか?」
そう聞くとアリスは暗い表情を見せ、俯いてしまった。まぁあんなことになっていたんだ。話したくないヨナと思っていたがアリスはポツポツと話始めた。
「実は…」
アリスは話終わるとまた俯いてしまった。
アリスの話をまとめると、あの緑のゲス野郎はゴブリンと言って本来はそこまで強くはない。しかし、頭が相当切れ、略奪をしたりするそうなので見つけたら早めに駆除するのだ。今回アリス率いる騎士はみんな新人ばかりで訓練も兼ねて討伐に来たようだが、ゴブリンの強さはいつもとは比にならないほど強かったらしく苦戦していた所を俺が助けたらしい。
「これからどうするんですか?」
俺がそう聞くと、
「一度王都に戻って女王陛下に報告を。恐らく、ダンジョン変動によってゴブリンたちの力が強まったのだと思われます。」
アリスはそう言って顔を上げた。なるほど王都か。そこなら職もあるだろうし、何しろ人がいる。もうこれ以上1人はいやだし…
「あのアリスさん。王都はどちらにあるのでしょうか?」
と俺が聞くとアリスはキョトンとした顔を再びして、
「知らないのですか?」
まずい。そんなに有名な都市だったのか。なんとか誤魔化さないと。
「い、いや〜ちょっとここの辺りには疎くて…あまりここら辺の地理を知らないんです。(汗)」
アリスはじっとこっちの方を見つめている。バレたかなと思ったが、
「そうだったのですね。せっかくここで会えたのですから一緒にに行きますか?」
おぉーありがたい。これは幸運なことになったぞ。
「ぜひお願いします。あ、ですがほかの皆さんが目覚めてからですね。」
と言うと、
「そうですね。みんなが起きるまで待ってから出発しましょう。」
と笑顔で返した。その笑顔はまさに天使そのものだった。あの天使アダマスとは比べものにならないなと思った。
そこから数日が経過し眠っていた1人のが全員目覚め、その後すぐにお礼をしてきた。全員前世では見ないような美人だった。異世界は顔面偏差値偏差値が高いんだな〜と思った。そこから俺らは王都へ向けて出発するのであった。
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