第3話 異世界にて2
「はぁ〜。どうしたものかな〜。」
とため息混じりの声を漏らした俺は龍宮寺雅人は、自分が置かれている状況を理解した。そう、ここは元々俺が生活していた場所ではない。ここは異世界なのだということを。
そんなことを考えながらブルーベリーに似た木の実を取ってきてと
「どうするッスかね〜」
と後ろから声がした。俺はその声に
「本当だよ〜」
と泣きそうな声で答えた。しかしここで異変に気づく。なぜなら、俺はこっちに来てからずっと1人でいた。周りに人の気配はまずせずなんならここのところ2時間ちょっとは動物の気配する無い。つまり自分の後ろから声がするなんてことはないはずなのだ。なのに後ろから声が聞こえた。それも女子中学生くらいの声が。恐る恐る後ろを振り返るとそこには中性的な顔立ちの美少女(?)が立っていた。
「うわぁぁぁ!!!!誰えぇぇ!!!!????」
と絶叫混じりの声でその子に聞いた。
「どもッス!僕はアダマス。この次元を管理している天使ッス!ヨロッス!」
とその天使アダマスは名乗った。
「今ここはアンタのいた次元から遠く離れた次元ッス。アンタはここに転生して来たッス!」
と続けて話した。
「えっ。え〜?」
と俺は困惑しつつ天使アダマスの話を聞くのだった。
「なるほど。半分は理解出来たぞ。」
「半分ッスか」
とアダマスの説明を聞き終えた俺はそんなふうに言った。アダマスははぁ〜と大きなため息をして呆れていた。だっていまいちピンとこないんだもん。仕方ないもん。と言い訳を脳内に連ねながら今の説明をまとめるために1度脳をリセットした。
アダマス曰く
ここは魔物や魔法が混じり合う世界との事だった。極稀にスキルという特別なものを持つものが生まれるとのことだった。
「つまり。アンタはこの世界に転生したいわゆる”異界の民”って呼ばれる人ッスね。わかりやした?」
とアダマスが軽い気持ちで聞いてくる。正直殴りたい。分かるわけない。転生?意味わからん。なんで俺なのかもわからないがアダマスはどんどん話を進めていく。
「とまぁこんな感じなんで。ひとまずスキル、決めましょうか。」
とアダマスはそういうとメモ帳らしきものを取り出した。
「ささ、どうぞ。好きな要望をお伝えください。」
とアダマスが言う。そんな急に言われても…
俺はう〜んとしばらく考えた後、
「じゃあ、俺がいた世界のものをこっちで作り出せるとかそんな感じのスキルとかある?」
俺が言い終わるとアダマスは満面の笑みで
「はい!!!あるッス!!!」
と元気よく答え、何かの呪文を唱え始めた。すると、地面が光出して俺を中心に円のようなものが出来ていった。これが魔法陣とかいうやつなのか?とかいうふうに思っていると、
「もう完了ッス」
とアダマスが背伸びをしながら言ってきた。
「ほんじゃま〜これで僕のお仕事は終わりなのであとはアンタ1人で頑張るッスよ。」
とか言い、アダマスは帰り支度をしていた。
「ちょっ、ちょっと待て俺はこれからどうすればいいんだよ〜」
と腑抜けた声でアダマスに聞くと
「自分で考えるッス〜。」
と言い放ち天に昇って行った。
「じゃあー頑張るんスよー応援してるッスーーー!!!!」
と天に昇って行くときに言いながら昇っていった。
「さてどうしよ」
とまた1人となった俺は人に会うために森をさまよい始めたのである。
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