第313話 作戦
クロウはアーシェとのこれからについて話し始めた。
「もしかしたら昨日見てたからみんなのわかるかもしれないけど、俺とアーシェは婚姻を誓った。ハーデンにアーシェは渡さない、アーシェには俺のパートナーになってもらうつもりだ。」
「それはアーちゃんも、了承してるんだよね?」
「ええ、クロウと共にそして、みんなでハーデンとハデスを止める。婚姻も、お互いの了承の上だわ。けど、婚姻を誓ったからってみんなとの関係が変わるわけじゃない、レイヴァーとして今まで以上に力を発揮するわ。」
「そういうことだ、レイヴァーとしてやるべきことは変わらない。だから、次が最後の戦いになるはずだ、危険なのはもちろんだけど、俺たちと最後まで一緒に戦ってほしい、手を貸してくれるか?」
4人は微笑みながら、まずはサリアから話しはじめる。
「サリアは、2人と一緒にいたら面白そうだなって思って初めは一緒に動いてた。その中で1番気付かせてもらえたのは、命の大切さ。
「サリーらしいわね、とても真面目で、真剣な眼差し。」
次にミラが話し始める。
「私も、レイヴァーの役に立てる事なら何でもするつもりだ。この体は呪われている、死神と呼ばれて辛い日々が続いていた。でも、クロが、アーが私に手を差し伸べてくれた、生きる意味をくれた。私はこの身をクロのために捧げると誓った、私より先に死ねると思うなよ。」
「頼もしすぎるな、俺もミラの事を守る。守られるだけってのは、性に合わないからな、背中を任せ合える仲間として、最後まで頼む。」
続けて、ノエルが話し始める。
「僕は、蠢く会からスパイとしてレイヴァーに参加した。兄を助けるために、蠢く会が正しいと信じて全てを懸けていた、けど、レイヴァーで過ごすことで間違いなんじゃないかって気づけた。裏切り者の僕を、また迎え入れてくれたこの場所を、もう誰にも気づ付けさせない、ミラさんがレイヴァーの刃なら、僕は盾になって見せる。」
「ノエルランス、いえ、ノエル。私たちは、いろんな過去を背負って生きている人ばかりよ、確かに裏切られたときは悲しかったし辛かったわ。でも、あなたは自分の道を信じただけ、そして強くあろうとして長い間苦しんだ、なら私はあなたの助けになるわ、同じ道を進む仲間として。」
最後はリィンが話し始める。
「あたしは、クロウさんとアーシェさんが羨ましかったんです。アルタの町で、知り合ったばかりの2人が、格好よく活躍していることが。あたしの力は、正直皆さんには及ばない部分ばかりだと思っています。けど、そんなあたしでも皆さんは信じてくれた、この身の1番の力は脳だと思っています、だったらあたしはレイヴァーの脳として最後までついていかせてください。」
「リィン、お前は俺たちを何度も救ってくれた。アルタから追放されたとき、アーシェが連れ去られたとき、その先何度もリィンの助けが、アドバイスがなかったら俺たちは今ここにいない。これは俺からの依頼だ、最後まで力を貸してくれ。」
6人は同じ未来を見るために、同じ道を作るために、決意を固く示した。
敵はもちろん、ハデス率いる魔族及びハーデン。
彼らが作り出そうとしている、白き世界を作らせないためにレイヴァーは戦う。
だが、戦力で考えてもレイヴァーが劣勢なのは変わりない。
そこで、リィンが1つ提案する。
「あたし達を信頼してくれている、あるいは信頼している仲間たちに応援を依頼しては如何でしょうか?」
「ダイカンにってことか?」
「あたしの父もそうですが、クロウさんたちに助けられた戦士はたくさんいます。オールドタイプってだけで差別しているニューマンばかりでないことは、あたしが保証します、アテナイからの応援は任せてください。」
「だったら、僕もアテナイの戦士に連絡してみるよ。何度か町に襲撃してきたモンスターを協力して対処してきたからね。」
「じゃあ、サリアはテーベに応援をお願いするね!」
テーベでは、サリアの母親リューネ、及びアンジュ王女と共にソーマとメイリンを倒すために戦った。
「アンジュ王女には、多くの戦士も仲間にしてる。サリアから頼んでみるね!」
「あの腹黒王女か、確かに味方できてくれたら相当頼もしいな。」
「では、私は父と母に応援を依頼しよう。」
エリュシオンは、ミラの父と母が治めている。
蠢く会のアーク及び前王を倒すために、レイヴァーは尽力した。
「2人なら顔も広い、巨人族の力を披露できるはずだ。」
「それもとても嬉しい援軍になるわね。こう考えてみると、私たちはいろんな国で多くの人と関わってきたのね。」
「良いことばかりじゃなかったけど、この経験が今の俺たちを作っている。そんじゃあ、俺たちの集大成を見せる時だ、昼に出発してスパルタに入る前にキャンプを張る、そして明日、ハデスのいる城まで突っ切るぞ!」
「了解!」
レイヴァーは最後の戦いの準備を始めていた。
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