第262話 王の力

「ぐぉぉ!!邪魔する奴、殺す!」

「来るわよ!全員、無茶はしないように!」


スッ!

4人はまず斧を振って暴れている王から距離を取る。


そして、


「行くよ、リィンさん!」

「はい!合わせます! 赤龍セキリュウ龍波ショウリュウハ!」

ジン五の型ゴノカタ砲弾キャノン!」


ガゴーンッ!

2人の衝撃波が王の上半身に直撃。



しかし、


王はびくともしない。


「なっ!?弾かれた!?」

「違います、王様の周りに何かバリアみたいなのが張られてますーー。」

「邪魔だ!!」


グルンッ!

ズザーッ!

ノエルとリィンは斧を振り回す風圧で吹き飛ばされる。


「2人とも!ちっ、なんや奇妙なことしてくれはるな! 撃ち抜け、空の彼方まで!惑星間砲弾マスドライバー!」


ドンッ!

無属性魔法の巨大な弾丸が、魔銃より放たれる。



だが、この攻撃も王には届くが弾かれたかのように爆発だけし傷一つつかない。


「なんやあれ、どんな手品やねん。」

「魔力を王からは感じない、だとしたらあれは魔力じゃないってことよね。考えられるとしたら、王の覇気?」

「なんやそれ、自分が放つ覇気だけで攻撃を弾いてるって言うんかい、そんなのチートじゃん、アーちゃんどうする?」

「やれることをやるわ! 中堅の力セカンドギア入力オン! 塵も残さない!荒れ狂う神の槌ボルティスハンマー!」


ピカーンッ!

ドゴーンッ!

王の頭上に光るものが現れた瞬間、雷で作り上げられたハンマーが降り注ぐ。


ゴスッ。

流石に覇気だけで弾けなかったようだ、王は片膝をつく。


「よしっ、少しは効いたみたいねーー。」

「そうか、お前が、1番うざい!」


ヒュンッ!

目を離していなかった。



だが、


気づいたらアーシェの目の前に王の姿が。


「しまっーー。」

「まず1人!!」


アーシェに迫る斧。



その距離、10cm。


「させません! 藍龍ランリュウ龍脈リュウミャク!」


グルンッ!

シュンッ!

リィンが弾丸のように回転投射した槍が、斧に向かう。


ガギーンッ!

そのままクリーンヒットし、斧が宙を舞う。


続け様に、


力の解放パワーブーストゴウ八の型ハチノカタ車輪ホイール!」


グルッ!

ゴスッ!ゴスッ!

縦回転しながらの2段蹴りが、王の脳天に突き刺さる。


「ぐぅぅ、邪魔だ!」


バヒューンッ!

更に覇気を強め、3人を吹き飛ばし壁に叩きつける。



「くっ、なんて馬鹿力、全て覇気で弾いているわけではないのに全く動じない。クロウより頑丈ね。」

「こちらもバラバラに攻撃していては、埒があきそうにありませんね、皆さん!あたしに作戦があります!サリアさん!」

「OK! 盾となれ!森の守護法陣フォレストランパート!」


バゴーンッ!

地面から太い根が突き出し、王を覆う。


その間に4人は終結し、3秒も掛からずにリィンの作戦が伝えられた。



もちろん、もっと時間は使いたかった。


だが、サリアの植物魔法でも稼げるのは3行と判断したリィンの予想は見事的中、王が値を突き破り4人目掛け突進してくる。


「即興の作戦ね、やってみましょうか!」


ズザッ!

ノエルは真正面から突撃し、サリアとリィンは両サイドから回り込むように走る。


(みんなが私を信じてくれてる作戦、失敗は許されない賭けに近い戦い方。けど、その期待に応えるためならなんだってするわ、そうじゃないと彼に置いてかれてしまいそうな気がするもの!)


シュイーンッ!

アーシェは静かに魔力を溜め始めた。


「ぐぉぉ!!」

「僕と力比べしようか!あまり、どこかの2人みたいに脳筋ではないんだけどね! ゴウ十の型ジュウノカタソウ!」


スッ!

空高く舞い上がり、足で削り取るかのような鋭い連続蹴りが降り注ぐ。


「弱い、お前では !」

「そうだろうね、

「あたしたちは、1人で戦っているわけじゃありません!あなたが選んだ、孤独な道とは違います! 白龍ハクリュウ修羅龍シュラノリュウ!」


スッ!

ドゴーンッ!

槍を引き、王に向かって加速しながら全力で突き出す。


その姿は、龍が空を優雅に飛ぶかのようだ。


「ふんっ、人族ごときが俺に敵うと思うな!」

「ほんじゃあ、エルフなら敵うかもしれへんな!サリア達は、多種族チームだからね!  拾の舞ジュウノマイ!破滅の終曲ルインフィナーレ!」


ガシンッ!

ジャギンッ!ジャギンッ!

ダガーの持ち手をくっつけ、両刃剣のようにして鋭い攻撃を繰り出す。


三方向からの攻撃、しかも3人が出せる1番重いと言っても過言ではない攻撃を王の力1人で受けきるには、さすがに堪えたようだ。


体にところどころ傷が入り、足も震えている。



だが、そこで王も終わることはなかった。


「邪魔ばかりするな!俺は、俺自身が最強だ!」


グルンッ!

ガギーンッ!

斧を回転させ、3人をはじき返す。


その衝撃は、体から出血をさせれるほど鋭いものであった。


「はぁ、はぁ、調子に乗るなよ、俺の前でーー。」

「調子に乗っているのは、あなたの方ですよ!王様!」

「なんだと……っ!?この感覚、まさか!」

「終わりにするわよ、身勝手な王!」



王がアーシェを振り向くと、魔力を溜め終えた姿が。



そう、王は魔力を探知できない、それを逆手に取り魔力を溜めることだけに全力を注いでいた。



「ありがとう、みんな。あとは、私の仕事ね。」


バリバリバリッ!

アーシェの周りの地面や壁がひび割れていくほどの魔力。



そして、


最後の力ファイナルギア入力オン! 生きた証も残さない!煉炎の豪雷ストームゲヘナ!」


アーシェの掌には、炎と雷の魔法が同時に発動。



その力の威力は。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る