第18話 不妊治療の末に生まれた俺
昨日は、発達障害者や精神疾患者へのネット上の誹謗中傷や差別に触れまくって、かなり死にたくなり、久し振りに強い酒を飲んで酔っ払ってしまった。かなり頭が痛くなった。
衝動的に、近況ノートに「俺は死ぬべきでしょうか?」と吐露したら、それに答えてくれた人が何人もいて俺は救われた。
体調が悪くて個別に返信する事はできませんでしたが、昨日は本当にありがとうございました。それと申し訳ないです。
もっと俺は強く生きられたらいいなと思うけど、強くなれない。死にたくなると強い酒に頼ってしまう。酔うと俺は簡単に本心を出せる。ああやって弱音を簡単に吐ける。
俺は色んな人に支えられている。
「痛みを知った数だけ人は強くなれる」という使い古された言葉があるけど、俺の場合は、痛みを知った数だけどんどん弱くなり臆病になっていくだけだった。
◆
昨日、酔っ払った勢いで、友達の女子大生にLINEを久しぶりに送った。
彼女は返事をしてくれた。
彼女は、大学を中退するらしい。
俺はその友達と何年も付き合いがある。お互いの本名も知っている。その子がどんな性格で、どんなことに苦しむのかも知っている。
俺は仕事を辞めて、その子は大学を辞める。
未来は常に不透明。一寸先の光も見えない。
色んな人が苦しんでいるんだな。
流石に、元カノにはLINEを送らなかった。
酔っ払うと俺は社交的かつ開放的になってしまい、時に相手に迷惑をかける。でも記憶を無くすまで酔っ払っても、暴力した事や物にあたった事は1度もない。そこは俺の父とは違う。父は俺とは真逆だった。子供の頃は、よく理不尽に殴られて怒鳴られた。まあ父の事はどうでもいいか。
俺が発達障害で情緒が安定しない性格に生まれたのは、おそらく母方の祖父母からの隔世遺伝だと思う。どうでもいい。でも俺の祖父母は俺から見て明らかに発達障害の特性を強く持っている。
世の中、「おじいちゃん子」「おばあちゃん子」みたいな人も多いけど、俺は何をどうやっても自分の祖父母を好きになれなかった。
◆
俺が酒を飲むのは、生きてて辛いからだ。いつも苦しいからだ。
アパートに引きこもる俺には酒しか救いが無いように思う。
カクヨムの読者さん含めて、俺の友達は日本各地に散らばっている。翻ってみると俺はアパートの204号室の中でいつも1人きりだ。誰もここに来ない。スマホとパソコンを叩き割れば俺は真の意味で孤独になる。俺は今イヤホンをして、最大音量でロックを聴きながら、とても静かにタバコを吸っている。俺はsyrup16gの「Everything With You」を聴いている。そのあと「うつして」が流れ始めた。
この音楽を停止すれば、窓の外からの鳥の声や車の通る音しか聞こえない。もう俺は現実の音を何も聞きたくない。でも音楽は俺を現実から遠ざけてくれる。
1人ぼっちで生きてる奴は1人ぼっちじゃない。孤独を抱えて生きてる人は沢山いる。
◆
俺の母の話をする。
母は俺の姉を産む前に流産を経験している。そこから母は不妊治療を受けなければ子供を産めない体になった。
姉と俺は苦しい不妊治療の末に生まれ、妹は自然妊娠で生まれた。
だが奇しくも、不妊治療の末に産まれた姉と俺は精神疾患を持つようになった。俺に至っては生まれつきの発達障害もあった。だが妹だけが唯一なんの病気も障害も無い。
世の中、望まない妊娠をして仕方なく子供を産む人もいる。でも俺は不妊治療をするほど望まれてこの世に産まれてきたのだから、命は粗末にしちゃいけない、と頭では分かっているのだが、心はいつも死にたがっている。
親子とは言え、結局は他人だ。分かり合えない事もある。
俺は生きてて苦しい。痛みはずっと続いていくんだろうか。
だから今日も酒を飲んで、苦しさを誤魔化す。
◆
俺は産まれた事を後悔しておきながら、彼女なんか作って、挙げ句の果てに彼女と何度も性行為に及んだ。
自分が馬鹿馬鹿しい。
彼女は俺の孤独を理解して、受け入れてくれた。
俺も彼女の孤独を理解していた。つもりだった。
俺は何がしたい。もう彼女はいない。空っぽの204号室。俺は何のために生きている。
もう頭の中がぐちゃぐちゃになりそうだ。
最近俺は、セリーヌの「なしくずしの死」を少しずつ読み返している。南條あやの「卒業式まで死にません」も並行して読み返している。
どんな孤独もいつかは癒えて、宇宙に導かれる。死ぬ事は俺にとって何も怖くない。明日を真っ当に生きる事の方が余程怖い。
◆
暗い事ばかり書いてると俺の気分が落ちそうになるから、最後にどうでもいい事を書く。
さっき体重を久々に測ったら68キロだった。
171センチ68キロ。まだちょっとデブだが、これでも夏に比べたらかなり痩せた。夏はベイマックスみたいな体型だった。
食費をガンガン削らないと、酒とタバコ代を捻出できないから勝手に痩せた。
ちなみに今はバズマザーズの「革命にふさわしいファンファーレ」を爆音で聴いている。メロディーも歌詞も最高。ここから始まるぜ、俺の革命が。
19話に続く
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