第8話 どん底から立ち上がる

昨夜、俺は銀杏BOYZの「夢で逢えたら」を聴きながら散歩していた。めちゃくちゃ良い曲なので、暇な方は聴いてみてください。


自動販売機に「さつまいもミルク」っていう珍しいジュースがあったから買いました。暖かくて甘くて美味しかったです。


なんとなく寒空を見上げると、きらめく星々が俺を優しく見つめていた。


「死んだ人は星になって見守ってくれるんだよ」と子供の頃おばあちゃんに聞かされた事があった。


死んだあいつも、きっと俺を空から見てくれている。



最近思った事がある。


それは、やっぱり人生は長期的な目で見ないといけないという事。多くの経験をして、多くの時間をかけて、やっと分かる事が世の中たくさんある。


どん底に落ちた経験、嫌な経験はやっぱり人生の糧になっている。糧というか、道標になる。


その時は最善だと確信して進んだ道が間違っていたとしても、進んでみないと正解か不正解か分からない。


人生は、不正解を繰り返す事でだんだん本当に進むべき道がはっきりと見えてくる。何の失敗や挫折も経験した事ない人は、絶対にこれからどこかで不正解な道を歩く事がある。でもそれは悪い事ではない。


「人間はなかなか変われない」っていうけど、俺だってあなただって間違いなくこの数年で変わった事があるはずだ。


俺のわかりやすい変化と言えば、やっぱり1人暮らしを始めた事だろうか。あとは、少しの期間ではあるが働けたり彼女ができたりしたのも、俺の中では1つの革命だった。


俺はどん底の時期を経験したからこそ、今こうやって少しずつ変わりつつあるんだと思う。自分にできる事を少しずつやっている。


精神疾患、発達障害、引きこもり、ニート、社会不適合者。


そういう人たちは「世間の基準」をもとに人生設計を立てたり行動するんじゃなくて、本当に自分に無理のない範囲で、自分のペースでゆっくり一歩ずつ歩いていく事が大切だと思う。


どれだけ時間が掛かってもいい。


俺は「引きこもり支援」を個人でやっているおじさんの所に通っていた時期がある。その人も言っていたけど、やっぱり俺みたいな人は“長い目で見ていく”事が大事だと言っていた。


無理をしても、ろくな結果を生まない。


「無理はしないで」という事をよく彼は言ってくれた。


引きこもりなら、まずは体調のいい日に風呂に入ってみる。まずは玄関から一歩出てみる。体調が良ければ少し散歩してみる。そこから始めていくのがいい。


いきなりバイトや正社員なんて、無理がある。


俺は作業所、単発バイト、正社員とステップを踏んだが、やっぱり俺に正社員は無理だったと悟った。いきなり飛躍しすぎた。


俺はたまに無理してしまう。


精神疾患などを持っている人は、まずは心が穏やかに過ごせる事が1番大切なので、そういう環境に身を置いて、ストレスを軽減するのが先決だと思う。


中には毒親に支配されていたりする人もいるけど、絶対に世の中には味方をしてくれる人が沢山いるし、シェルターやグループホームやシェアハウスだってある。


俺は、最近、ものすごく落ち着いて生活できている。今の環境が合っている。


アパートの中で静かに暮らしている。(イヤホンしてガンガン音楽きいてるけど)


俺の精神が落ち着いているのは、酒の度数や本数を劇的に減らせた事も大きな要因だと思う。


やっぱり強い酒を大量に飲んでしまうと、情緒は不安定になるし、鬱や希死念慮や不眠だって悪化する。そして体もボロボロになる。更には精神薬の効果をアルコールが打ち消してしまうので、お薬を飲む意味がZEROになる。


「冬季うつ」っていう言葉を最近よく聞くけど、俺個人はここ最近は心がすごく安定している。元々、冬特有の寂寥感が好きだったりする。夏は単純に暑いから嫌い。


季節の変わり目は体も心も体調を崩しやすい。今年に関しては、春と秋を感じる時間がかなり少なかったように思う。夏が終わってすぐ冬が来た感じ。「地球沸騰化」という言葉も新しく生まれたように、これから地球はどんどんヤバくなっていくだろう。


あと、人生の中で大切なのは、どれだけ好きなものに出会えるかっていう事ではないかと思う。


俺も好きなものや趣味は色々ある。こうやって暇な時に文章表現をするのも俺の中では大切なルーティーンだ。思考の整理にもなるし、承認欲求だって満たされる。こういう場所を与えてくれるカクヨムには感謝する。


誰かにとって暇つぶしになってくれたら嬉しく思う。また、俺の文章が誰かの孤独を和らげるツールになれたら良いと思う。


悲しい事件や事故が毎日起こる。


でも俺は、大切な人が幸せに生きてくれてたらそれで幸せだ。世界中の悲しみを憂う事なんて出来ない。だから、せめて俺の周りの人が幸せであるように祈るのだ。


とりあえず、新年になってしばらくしたら、俺は初詣に向かうと思う。その場では「戦争の廃絶」と「俺の平和」と「俺の周りの人の平和」と「この文を読んでくれた人の平和」を祈ろうと思う。賽銭はちょっと奮発して、100円くらい入れよう。


俺は元々、神をあまり信じてはいない。でも都合のいい時だけ神を信じる。例えば、電車の中で便意を催した時とか。


俺はアパートに宗教勧誘の人が来た時、扉を閉める事ができなくて、いつも最後まで話を聞いてしまう。今まで「エホバの証人」と「創価学会」の人が来た。変な資料を貰って、全部読んだ上でゴミ箱に捨てた。


俺に神はあまり必要無い。神よりも、愛が欲しい。


自分の人生の全てを神に委ねる人生は、むなしい。まあ個人の自由だけど、宗教次第では問題ばかりの団体もあるから、俺はあんまり……。


でも、神に縋りたくなる気持ちも分かる。俺だって、真の意味で孤独で、周りに理解者がいなくて、カクヨムみたいに自分の言葉を発信できる場所が無かったとしたら、神に縋っていたかもしれない。人は孤独に耐えられるようには出来ていないからだ。



今も俺は銀杏BOYZの「夢で逢えたら」を聴いている。聴いてると元気が出てくる。世の中、叶う恋ばかりではないけど、俺はあなたを好きになれたというだけでも幸せだったのだろう。


遂に明日は仕事納め。俺の「社会人編」も明日で終わりだ。


とりあえず無職になって、少し休むつもりだ。俺は疲れたぜ、パトラッシュ。


あと最近、俺はカクヨムで色んな人の文を読むようにしている。色んな人の思想や価値観を取り込む事で、大切なものが見える事もあるからだ。


大丈夫だ。この世は絶望ばかりではない。







9話に続く

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