第45話
「・・・ねぇ、ソロン。あれって・・・」
「・・・えぇ、竜人族の者ですね。確か、九頭竜連邦都市国家、その中央にある都市、王冠都市スイア出身だったと思います。あそこは九頭竜連邦都市国家の中でも一番実力主義が強く、連邦都市国家の実質的なまとめ役であると聞いていますので、態度で大体わかります。まぁ、この国に来ること自体、珍しいことなのですけどね。あぁ、珍しいことと言えば、魔導王国の王太子も来ていますよ・・・」
「・・・え?本当に?私のパーティーには出席していなかったから、顔すら見たことが無いのだけども。それにしても、魔導王国には最先端の学び舎と称される学園があったはずよね?どうしてここに?・・・」
本来なら王太子は見分を広めるという目的で、様々な同盟国・友好国の王族のパーティーに出席する。平民とは違い、王侯貴族にとって、パーティーとは貴族間での地位や発言力の向上以外に、一種の見合いの場という意味も持つ。なので、第一王子は他国の王女、もしくは有力貴族の令嬢を見つけ、嫁にするために来ることが多い。
だが、これは通常の王族の話であり、
「・・・リアム様は歴代の王族の中でも、初代に匹敵すると言われるほどの才能を有し、5歳の段階では既に、
「・・・へ~、そうなのね。あと、理由については何となく察したわ。貴方か私、またはその両方に原因があるのでしょう?例えば、『魔法絶対主義である魔法帝国に魔術を得意とする
シエルの言ったことはあながち間違いではない。寧ろ、正鵠を射ているため、ソロンは苦笑するしかなかった。
シエルはそんなソロンの態度からある程度察し、微笑で返すのであった。
なお、ここまでの会話は全部、こそこそ話程度のものであり、かつ、ソロンによって遮音結界と減音結界を二重で張り巡らせているため、エルフィーを除く誰一人として気付いていない。ちなみに、ソロンが
偽装魔術、認識阻害魔術、隠蔽魔術、防音魔術、etc.
計数十個もの術式により構築されたこの結界は、現人神クラスでなければ、感知す ることすら難しい代物になっていた。これを見破れと言ったら、鬼だの、悪魔だの、散々な言われようをすること間違い無しのレベルで・・・・・・。
「さて、世界の中でも最強種族の一角とも呼ばれる竜人族のお力、お手並み拝見とい たしましょうか」
「そうね。私達、いえ、私が知らないものも見れるかしら?」
そんなことを言いながら、ソロンは紅茶を作り、ソロンが作った紅茶を優雅に飲ん でいた。
「本当に余裕そうね。緊張感が薄れていきそうだわ」
エルフィーの呟きを聞こえぬふりをして、二人は闘技場の方を見るのであった。
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