第48話 四人でご飯!


 俺達のバンド名が『Red glasses』に決まったんだけど、肝心の曲作りは全てシンちゃんに任せっぱなしで悪い気がするよね。


 マリアさんの事も吹っ切らないとだし、今日から本腰入れてバンド頑張ろ!



 ※



 午前中は宿題を済ませ、軽く昼飯を食べてから部屋でドラム練習パッドを叩く。シンちゃんが新曲も含めて既に五曲作っているから俺もおいてかれない様に頑張んないとね。バイト時間まで集中しよう!


 俺の出勤時間は午後三時からで買い出しや掃除、ドリンクの準備をする。


 今日は大学生のバンドサークルが何組かで合同ライブをやるらしい。


  いつもの様に十分前になったら玄関の鍵をかけて階段を降りる。そしてそのまま地下の階段を降りて入り口を開けると出勤だ!


 入り口を開けて受付の人に挨拶をしたら、『悠真、今日はなんかカフェの方忙しそうだよ! あかねさん(店長)がドヤ顔してるし』なんて言ってきた。 あーミンスタに『メガネ姉妹』とかでアップしたみたいだもんなー。

 

 受付からコインロッカーのある通路を通り、最初の扉を開けるとカフェスペースだ。


 そーっと扉を開けると……、ほぼ満席じゃん! みんな忙しそうに動いてるよ。そんな中で一際ひときわ目を引くポニーテールの女の子が近づいて来た。


 「おはよー悠真くん!」

 「おはよ、朱里紗ありさ!」


 『キャッ♪』とか言って手を振ってカウンターに居る未来姉の所へ走っていった。なんか楽しんでやってるみたいで良かったよ! ちなみに今日は普通のサイズのTシャツだった。それでも足が長いからモデルさんみたいだなー!


 俺は奥にある重い扉の方に向かおうとしたら茜さんに呼び止められて、


 「悠真っ、朱里紗のおかげで大繁盛だよ! 紹介してくれてありがとねー♪」


 「まさかこんなになると思わなかったよ! あんまり無理させないで下さいねー」


 さっ、俺はライブの準備だ! 重い扉を開けるとそこはまだ従業員しか居ない、扉一つでこんなにも違うのか(苦笑)



 ※



 学生のサークルでもめちゃくちゃ上手い人が何人かいた。こういう人はこの先どうするんだろう、音楽関係の仕事に就くのかな? 本当上には上がいるとつくづく思い知らされるよ。


 バンドでプロになるって言うのは、ただ上手いだけじゃ無いもんね、運もあるだろうし、人を惹きつける魅力がないと売れないもんね。そう考えたらマリアさん達は凄いと思うよ。


 俺の働く時間は九時迄だ。ライブが終わって後片付けをある程度済ませたら時間になる。


 「お疲れさま、お先でーす!」


 今日から朱里紗も家で一緒に晩御飯を食べる事になった。未来姉と一緒にご飯作るとか言って張り切ってたよな。


 家に着き玄関を開けるといい匂いが立ちこめる。リビングに入ると既にシンちゃんがソファーでくつろいでいた。


 「おう、お疲れっ!」

 「ただいま、シンちゃん」


 「あっ、おかえり悠真ー! そろそろ帰って来ると思って待ってたんだよー!」

 

 「お疲れ様、悠真くん♪」


 テーブルで二人は楽しそうに喋っていた。本当に姉妹みたいに見えるよ! どっちが姉に見えるかは口が裂けても言えないけどね。


 「ただいま、先に食べてて良かったのに!」


 「だって先に食べよーとしたら朱里紗が待ってるって言うんだもーん!」


 「ちょっとっ!」


 いつの間にか「さん」がとれてる(笑)未来姉は本当距離詰めるの上手いよなぁ。


 洗面所で手を洗ってうがいをする。一応朱里紗には、マリアさんにフラれた話は恥ずかしいから未来姉達にはしないでって言ってあるけど、……大丈夫かな? 



 ※



 「「「「いただきまーす!」」」」


 四角いテーブルに四人で座る。なんか家族みたいだなんて思ってたら、『んふふー、なんか家族みたいだねー♪』なんて未来姉が笑ってた。流石俺の姉ちゃんだ(笑)


 「この生姜焼きは朱里紗が作ったんだよー! サラダとお味噌汁は私ー♪」


 「Oh! この肉、柔らかくて美味いなー朱里紗! 未来の味噌汁も美味いっ、やっぱり味噌汁は豆腐とワカメが一番だな!」


 「シンジさんって本当に美味しそうに食べますねー! ちゃんと美味しいって褒めてくれるし♪」


 「何言ってんだ? 美味い飯作ってくれる奴に感謝するのは当たり前だろっ!」


 あれ? シンちゃんとも仲良くなってるよ!


 「悠真もシンジのそーゆートコ見習わないとねー! ほらっ、朱里紗待ってるよ!」


 朱里紗、……そんな欲しがる目で見るなよ!


 「……そんな言い方されたら言いづらいだろ? それよりさー、朱里紗って人見知りじゃなかったっけ?」


 「そうだったんだけどね、横川さんのおかげかな? あとみっくもシンジさんも凄く優しくて話しやすいから自分でもビックリだよ!」


 「えっ、未来姉や横川は分かるけどシンちゃんって怖くなかった?」


 「What? 俺は女の子には優しいんだよ!」


 そー言えばそーだった。あーちゃんさんとかメロメロだったもんな(笑)


 「ねぇねぇ朱里紗、今日、家に帰ってもマリアさん居ないんでしょ? だったらウチ泊まって来なよー♪」


 「えっ、いいの? 実はね、……家に帰って一人だとちょっと不安だったの!」


 「やったぁー!


 あっ、……ごめん。この後私達、練習やるんだった」


 未来姉は『しまった』って顔して朱里紗に『ゴメンね』のポーズをした。だけど、


 「見学させてもらってもいい? 私、三人が演奏してるの見た事ないから!」


 「OK! いーよいーよ! いくらでも見てってー! って事でお泊まり決定ーっ♪」


 未来姉は朱里紗の手を掴み、上に上げて『勝者、朱里紗ーっ!』とかやってる。何の勝者?


 練習なんて見ても面白くないと思うんだけどなー、……てかウチ泊まるの?






 つづくー!

 本編はここまでっ♪



 🌸読んで頂きありがとうございました🍒

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 🎸ここから先は補足&雑談コーナー🎸



 うーん、なんて事ない日常回になってしまいました(苦笑)すっかり朱里紗はみっくと仲良くなりましたよ。弟攻略のカギは姉にあり?


 何度もシンちゃんに言わせてますけど、ご飯作ってくれた人にはちゃんと感謝と褒め言葉が必要です! スマホ見ながら食べるとか駄目なんだからねー!←誰に言ってる?



 今日のおススメ


 The Beatles/Rubber Soul


 はい、やっぱりビートルズを出さない訳にはいかないですよね? な、中でおススメは『ラバーソウル』ですかねぇ?


 ビートルズは洋楽登竜門的な存在で、とりあえず聴いてみようかしら? って感じでひと通り聴きました。テレビやラジオで聴いた事あったのですんなり耳に入ってきましたが……。


 私はビートルズよりストーンズ派だわ(と言うよりフェイセズ派)


 なのでそこまでハマらなかったんです。

 その中でも気に入って聴いていたのが『ラバーソウル』でした。

 何故かバンドスコアが家にあってこのアルバムだけはギターで弾けるし、なんちゃって英語で歌えます(笑)


 コチラの映像はポールと『ワム!』のジョージ・マイケルです。

 ※私はジョンよりポール派♪


 『Drive My Car』

 https://youtu.be/gFg13rHCF44?si=EQyNcAxhU5QAUW_D


 

 


 

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