第33話 からかわれ上手の赤眼鏡さん
その日を境に、俺と高樹さんは急激に仲良くなった。朝の挨拶から始まり、ロットや音楽の話を嬉しそうに話す高樹さんを見て、クラスのみんなは驚いていた。
「……ねぇ、前野、『氷の美女』が悠真に溶かされたわよ!」
横川さんが俺達に聞こえる様に前野に話しかけると、
「悠真、『忙しい詐欺』だからな! 一体どんな魔法をかけたのかな?」
二人してニヤニヤしながら俺達を見る。勿論他の生徒達の視線も感じる。
「『忙しい詐欺』ってなんだよー!
でも高樹さんって話してみると面白いんだよねー! 今までだって難しい本読んでるフリしてラノベ読んでたんだから!」
「ちょ、ちょっと田所くんっ!!」
真っ赤になった高樹さん、こんな顔見たらもう横川は黙ってられない(笑)それからは高樹さんを中心に輪が出来て、みんなからの質問責めに遭っていた。
困った様な、照れ臭い様な、でも嬉しそうに笑顔で話す高樹さんはやっぱり可愛いなと思うよ。
そして昼休みになると体育館の裏で、俺はクッションを叩き、高樹さんがそれを見ながらご飯を食べるのがお決まりになった。
二人で居なくなり、午後の授業が始まる前に戻って来るので最初はかなりみんなに揶揄われたけど、高樹さんがあまりにも嬉しそうにしてるのを見て、この件については誰も何も言わなくなっていった。
※
「
私には年の離れたお姉ちゃんが居る。私が物心ついた時から自分のやりたい事をやって、今ではそれを仕事にしている。とても尊敬してるし、自慢のお姉ちゃんだ。私もそういう何か見つけて頑張りたいなぁ……。
「うん! 学校で友達が出来たんだ!
そしたらその人が私をみんなの輪の中に入れてくれて…………、もう、ひとりぼっちじゃないから毎日が楽しいの!」
そんな私を見て嬉しそうにビールを飲むお姉ちゃんはまるでお母さんの様だ。
中学生の時も引っ込み思案な私は友達が出来なくて、それでも男子からは告白されて、女子からは
だけど引っ越して来た所で状況は変わらず、友達も出来ずにまた一人ぼっちで一学期を終えようとした矢先の席替えで田所くんに出会ったの!
「その友達がね、ロットの事知ってて! それで話が出来たんだ♪ 本当にありがとうお姉ちゃん!」
「私は何もしてないわよ、朱里紗が勇気を出した結果じゃない! よーし、今日は奮発して焼き肉食べに行っちゃおー!」
まるで自分の事の様に喜んでくれるお姉ちゃん。でもすぐにイヤらしい目つきをして、
「んで、……好きなの? その彼?」
「えっ、……私、男子だなんて言ったっけ?」
「顔に書いてあるわよ! 大好きって♪」
「もーっ、お姉ちゃんのイジワルー!」
「もうすぐ夏休みなんでしょー? 今度その彼氏連れて来なさいよー♪」
「彼氏じゃないからー! それにいつも忙しそうだから、私は今のままで充分満足なの♪」
「またまたー、そんな事言ってー!」
……なんて背中をパチパチ叩かれたけど田所くん、今はバンドに夢中だから私は邪魔にならない様に応援していたいの。
でも、もうすぐ夏休み。
どうしよう……会えなくなっちゃう。
確か、自宅がライブハウスって言ってたわよね? 今度勇気出して田所くんのお店に行ってみよう!
つづくー!
本編はここまでっ♪
🌸読んで頂きありがとうございました🍒
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高樹朱里紗(たかぎ ありさ)
脳内cv 雨宮天
第31話時点で高校1年生
ビジュアルイメージは京アニ『響け! ユーフォニアム』の高坂麗奈 ←シンちゃん以外は京アニ
https://images.app.goo.gl/kN1Ldo2Hzvzt2Jz7A
↑コレに赤眼鏡をかけているのを想像して下さい。
1月23日生まれ 水瓶座 A型
身長165cm
体重 49kg
B 85 W59 H 86
好きな食べ物 サーモン、ハンバーグ
嫌いな食べ物 キノコ類
高身長、モデル体型、スタイル抜群!
人見知り、恥ずかしがり屋ですぐ顔が赤くなる。
お姉ちゃん大好き♡ 悠真大好き♡
性格は真面目で成績は学年トップ、容姿端麗で悠真と仲良くなる前は『氷の美女』と呼ばれていた(笑)
悠真達と仲良くなってからはだんだん積極的になってくる。
はい、もう1人の赤眼鏡さん登場です!
奇しくも悠真はシンちゃんが未来にしてあげた様に朱里紗を助けた後は、みんなの輪の中に入れてあげました。そりゃ好きになるよねー!
……でも悠真はマリアさん好き好きなんじゃなかったっけ? さぁどーなる、修羅場が来るのか?(笑)
あれ、……みっくとシンちゃんは?
まだまだ悠真のターンは続いていくので箸休めに2話無理矢理詰め込みましたよー♪
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