第30話 作戦会議!
「未来姉ぇー、今日学校で何があったの?」
「悠真ぁ、聞いてよー! あのね……」
……やっぱり勘違いだったよ、そりゃそーだけど。てか噂って怖いよね、何で妊娠騒動にまで発展するかなぁ?
放課後未来姉は文化祭バンドの練習、シンちゃんはすぐ家に帰ったみたい。そして俺も帰って店の手伝いをしていた所に、未来姉が帰って来たので噂の真相を聞いた。
まぁ学校でも目立つ存在の未来姉が謎の転校生と怪しい関係なんて、みんな喜んで飛びつくネタだもんね、しょうがないか。
※
『シンジ、これからご飯作るからおいでよ♪』
『Thank you! 今から行く!』
「んふふー、すぐ既読ついたっ♪」
未来姉は上機嫌にふふふんと鼻歌を歌いながらキッチンで料理を始めた。あーぁ、もう顔が緩みっぱなしだよ! でもなんか俺まで嬉しい気持ちになる。ずっと待ってたんだもんな。
十五分程したらシンちゃんがやって来た。
「おっ、この匂いはカレーか? そーいや最近食ってなかったなー」なんて言ってリビングのソファーに腰を下ろした。
「悠真ー、日本は最近どんなジャンルの音楽が流行ってるんだ?」
「うーん、正直何が流行ってるか良く分からないんだよねー、KーPOPとか、ドラマやアニメタイアップとかさー、今じゃピックポックやミンスタグラムからもバズるからねー」
そう言ってタブレットで今流行ってる曲を探して流していく。
「日本のバンドならここら辺かな?」
「あー、知ってる! ……でも五年前から人気あったぜ、このバンド」
なんかいーな、こーゆーの。兄ちゃん? いや友達みたいな? 昔一緒に遊んでた頃に戻った気分だよ!
※
「はーい、おまたせー♪ 二人共これテーブルに運んでー!」
アイランドキッチンから見えるエプロン姿の未来姉に見惚れてるシンちゃんを引っ張って、テーブルにカレーとサラダ、それに麦茶を運んで行く。
盛り付けられたカレーの匂いが食欲をそそるよ! 三人で手を合わせて、
「「「いただきまーす!!」」」
「んー、美味しい♪ 我ながら上手く出来たんじゃない?」
俺もスプーンですくって一口、
「んー、もうちょっと辛くてもいーかな? でもすっげー美味しい! ジャガイモも柔らかくて、ハフハフッ」
シンちゃんなんか感極まって目頭押さえてるよ! ……ん? もしかして辛いの苦手?
「あらあら、シンジくんにはちょっと辛かったかしらー? 今度作る時は甘口にしてあげまちゅからねー♪」
ニヤニヤしながらシンちゃんのコップに麦茶を注ぐ未来姉に、
「うっせ! この辛さがいーんだよ。まぁ俺位になるともっと辛い方が好みだけどなっ!」
「ホントにぃー? でもコレ、中辛に甘口足してあるから全然辛くないんだよー♪」
あははは ははははっ♪
「でも、……なんか大きくなって、こうしてまた三人でご飯食べてるなんて信じられないよ! 嬉しいなぁー♪」
未来姉はちょっとウルウルした目をハンカチで押さえながら独り言の様に呟いた。
「そんなに嬉しいなら毎日来てやるよ! 今度は俺が作ってやるからさ、泣くなよバーカ」
「バカって言うなー! バーカ♡」
はいはい、目の前でイチャイチャしない!
※
楽しい(?)食事を済ませ、未来姉がシャワーを浴びてる間に二人で後片付けを済ませてソファーに戻る。そして今日の本題『今後の活動』について話し始めた。
「お待たせー♪」
風呂上がりの未来姉は、髪をタオルで巻いてロンTにショートパンツ、手にはオレンジジュースを持ってやって来た。
湯上がりで頬が赤く染まり、うなじから薄っすらと汗が滲んでちょっと色っぽい。当然シンちゃんは目のやり場に困ってる(笑)そしてあくまでも冷静を装って、
「それじゃ、俺達はこれからバンドをやってくんだけど、二人はどんなジャンルの物がやりたいんだ?」
俺達二人を交互に見てシンちゃんは言った。
「それなんだけど、まずはボーカルどうするの? それによって全然変わって来ると思うんだよねー」
「だよなー。実は俺、イギリスでスリーピースのブルースバンドでボーカルやったんだけどさ、俺達三人でソレは無いよな、悠真、お前叩きながら歌ったり出来るか?」
「うーん、やれない事はないけど、それならオルタナティブな感じか、ガレージロックみたいなヤツがやりたいかなー、あとoasisみたいなUKロックとかもね!」
「私が歌うならやっぱりポップになっちゃうからねー、ハードロックやR&Bは無理よね、シンジはどんなのやりたいの?」
「俺は基本ベースがブルースロックだけど、それは向こうに居る時に散々やったからなぁ、三人でやるなら少しポップでキャッチーな方が良いと思ってる」
それから俺達はタブレットから洋邦問わず、色々なジャンルの曲を流して、「コレなら歌える!」とか「こういうのは未来歌える?」とか言って試行錯誤していた。
「まぁ本格的に始めるのは未来の文化祭バンドが終わってからにしよう。焦る事もないしな! その間に俺は、俺か悠真が歌うならってヤツ、未来が歌うならこんな曲ってのを作ってみるよ」
「私も自分が歌う曲は自分で作詞作曲したいから、文化祭バンドとは別に作ってみるね♪」
「俺も曲作ってみたいから考えてみるよ!」
それからまた三人でタブレットで曲を流しては、あーでもない、こーでもないと言い合い、話し合いは深夜まで続いた。
つづくー!
本編はここまでっ♪
🌸読んで頂きありがとうございました🍒
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🎸ここから先は補足&雑談コーナー🎸
とりあえず今の時点ででは、
・スリーピースバンド
・三人ともボーカルをやる
・ちょっとポップでキャッチーな曲(未来)
・UKロック……oasisみたいなの(シンジ)
・叩きながら歌うからシンプルなロックンロール(悠真)
……で意見がまとまりました。
ここからシンジは曲作りに励みます。未来は店の手伝いと文化祭バンドと曲作りで大忙し!
……アレ、悠真は?(笑)
ここから暫く悠真のターンです。いよいよ影の主人公が未来とシンジを差し置いてメイン回が二週間程続きます。←マジか?
はたしてどうなることやら……。
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