第29話 転校初日!


 ちょっとちょっと! 一体どーゆー事なの?


 シンジが居ない……。 何で? どうして?


 歓迎会の翌日、ウッキウキで登校した私は朝のホームルームで、この後先生が言うであろうセリフを信じて疑わなかった。

 

 『はーいみんなー、今日は転入生を紹介するぞー! 空いてる席は……と、一番後ろの田所の隣に座ってくれ』


 しかし……、


 私の隣の空席が埋まる事はなく、窓から眩しい日差しが差し込むいつもと何ら変わらぬ日常風景だった。


 いつもと違う事と言えば……、隣のクラスから黄色い、いやピンク色の大歓声が聞こえて来た事だった。


 こんなシチュエーションで! いつでもウェルカム状態でよ? もう作者の悪意があるとしか思えないわ!


 おかしいでしょ? ありえないでしょ? 


 ……そりゃ最初っから学園ラブコメ書くつもり無かったとしてもよ? あの人ずっとラブコメ書いてたじゃない? ←誰?

 なのに隣のクラスて! じゃあ何で私の隣の席は空いてるのって話よ!



 「そりゃー、お前がそうやってうるさいから空いてるんだよ! ……いい加減心の声を漏らすのヤメてくれないかなー?」



 ジト目の先生と、ニヤニヤしながらクラスのみんなが私を見てる。またやっちゃったー⤵︎


 「みっくかわいそー!」

 「あー、『ロミジュリ』みたーい♪」



 まー、ポジティブに考えたらよ? クラスが違うならシンジに私の心の声を聞かれる事も無いし、四六時中一緒なのも良くないわよね、これからはずっと一緒なんだから♡


 ……と、今度は誰にも聞かれない様に心の中で呟いた。うん、やれば出来るじゃない、私♪




 ※




 「はーいみんなぁー、今日は転入生を紹介しまーす♪」


 ん? ……何か若い先生だな? てか、未来いねーじゃん⤵︎


 「浅井あさい 神史しんじです、よろしくー」


 キャーーッッ!! カッコイイーーッッ!!


 ん? ……俺、モテモテなのか? マジか♪


 「浅井くんはね、お父さんの仕事の関係で五年間イギリスに居たのよね! それで小学生の頃に住んでたこの街に戻って来たの、みんなぁー、これから仲良くしてねー♪」


 「「「「はーーい!!」」」」


 まるで小学生みたいだな、担任も含めて大丈夫か、このクラス? 


 「はいはーい! あっ、浅井くんはぁ、英語ペラペラなのー?」


 活発そうな女子が聞いて来たんだけど、ここは英語で返した方がいいのか?


 「(相手が何言ってるか分かるし、普通に会話が出来るって位かな?)←英語」


 「キャーーッッ!! 何言ってるかわかんなーい!!」


 あははは ははははっ♪


 ……。(苦笑)


 「それじゃ、空いてる席は……、一番後ろの角の席に座って♪」


 先生に言われて窓際の日差しが眩しい席に腰を下ろすと、みんなチラチラと俺を見ている。やだなー、動物園みたいで。昼になったら未来ん所行こー。



 ※



 

 「おーい、未来いるかー?」


 キャーーッッ!! キャーーッッ♪♪


 お昼になり、教室の入り口付近で私を呼ぶ声の方に顔を向けると、もうハチの巣を突いたような大騒ぎ! 突いた事ないけど。


 「シンジーっ! こっちこっち!」


 背が低いからピョンピョン跳ねて手を振ったら、シンジはみんなの視線と歓声をかき分けて私の隣の空席に腰掛けた。


 「なぁーんか隣の教室から凄い歓声が聞こえたんですけど? モテモテですねぇー」


 「あー、もう動物園のパンダ🐼の気持ちが分かるよ! 勘弁して欲しいよなー♪」


 「その割には鼻の下伸びてますけどー?」


 「俺、あっち《イギリス》の学校じゃまともに友達居なかったからなー、ほとんどメンバーとつるんでたからこんなに注目されるなんて思わなかったよ」

 

 「そっかー、じゃあ同級生と喋るのなんて久しぶりなんだねー♪」


 そして私はバックから二人分のお弁当を取り出して、


 「はい、お弁当!」

 「お、おぉ、サンキューな♪」



 キャーーッッ!! キャーーッッ!!


 私達の会話に聞き耳を立てていた女子達が、あっという間に周りを取り囲んだ。


 「みっくー、もうそんな関係なのー?」

 「妻なのー? 愛妻弁当ー?」


 「あーっ、俺達の未来がぁーっっ!!」

 「何者だー? あの転入生はー?」


 男子まで集まって来たけど、別に私はあんた達のモノではないからねー! 


 するとシンジはすっと立ち上がり、私達を取り囲むみんなに向かって、


 「Ah、Well……、俺、浅井神史。

 五年間イギリスにいる間、ずっと未来とバンドやる為にギター弾いてたんだ。これからバンド組んで活動していくからみんな、応援してくれると嬉しいな♪」


 ……何? その甘ったるい声? 外国行くとそんな感じになるの?

 

 キャーーッッ!! 一途ーーっ!!

 ガンバッテェー!!


 みんなチョロ過ぎだよー!←オマエも


 そしたらシンジが私に耳打ちして、


 「こういう時は下手したてに出ておいた方が上手くいくんだよ! 師匠が言ってた」


 私よりずっと大人なのね、メモメモっ♪



 ※



 それから私達は机をくっつけ向かい合わせになってお弁当を食べ始めた。


 私の作ったお弁当を「美味いなー♪」と言って食べてくれてる! 嬉しー♪


 シンジは最後に取っておいた玉子焼きを口の中に放り込んで、


 「それより今、未来は文化祭バンドもあるだろ? ……ところで文化祭っていつだ?」


 「十月九日と十日だからあと三ヶ月ちょっとかな?(ちなみに今は六月下旬)夏休みもあるし、練習すればもっと上手く出来ると思うんだよねー♪」


 「そっかー、じゃあ俺達の今後は今夜店で話し合おう!」


 すると、


 キャーーッッ!! 「俺達の今後」だってよー! 結婚するのー? それとも子作りするのーっ?



 「もーっ、そこだけ切り取らないでよー! バンドの話だからねーっ!

 結婚とか子作りとか……、それはもっ、もうちょっと先の話だからーっっ!!」


 「おい未来っ! お前誤解される様な言い方すんなっ!」



 ※



 ー放課後、悠真のクラスー


 「ねぇ悠真くんっ、お姉さん妊娠してるって本当ーっ?」


 「えぇーーーっっ?!」



 変な噂はあっという間に学校中に広がり、未来姉とシンちゃんは今夜、二人の間に出来た子供をどーするのか決める事になってるらしい⤵︎


 昨日五年ぶりに再会したってのにどうやったら子供出来るんだよ? てか、未来姉達は教室で何やってんだ?





 つづくー!

 本編はここまでっ♪



 🌸読んで頂きありがとうございました🍒

  コメントの返信は日曜日になります



 🎸ここから先は補足&雑談コーナー🎸



 とりあえずシンちゃんが帰って来たからには学園ラブコメっぽいのも書かないとだよ!


 毎回出て来てはみっくに授業を妨害されている担任の先生は脳内cv高橋伸也さんです(笑)


 多分私が今まで見て来たアニメで1番出演されている方です。そのほとんどがモブ(その他大勢、名前のないキャラ)です。皆様もアニメ見たらエンドクレジットに大体名前が出て来るので注目してみて下さいね!



 ……ところでシンちゃん、気に入ってもらえてますか? 胡散臭くないですか?(苦笑)

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