第15話 イメチェン!
次の日、店が終わる間際にギターを
「悠真くん!」
「誰っ? ……って、彩さん!!」
「えへへ、イメチェンしてみたんだけど……どう、……かな?」
もはや別人かっ? ……って位の変わり様だった! 髪はショートになって薄いピンクオレンジに染まり、耳にはシルバーのピアス、某バンドのロゴ入り黒Tシャツにチェックのミニスカートで、ニーソに靴はラバーソール。 どっからどー見てもバンド姉さんだよ!
「彩さん、めっちゃ似合ってますよ! コレなら『冴えない』なんて言われませんよ♪」
……そして小声で、
「ホラ、……みんなチラチラ彩さんの事見てるの、分かりますか?」
「……っっ! 悠真くんっ!!」
彩さん、辺りを見回して自分に向けられている視線を感じて……! 真っ赤になって俺をバシバシ叩いてきた。なんか年上なのに可愛い♪
そしたら未来姉もやって来て、
「彩ちゃん? めっちゃ似合ってるよー♪ いーねーその髪色! てっきり悠真が逆ナンされてるのかと思って焦っちゃったよ!」
「もうっ、みっくたらーっ(笑)
でも見た目を変えたら気持ちも前向きになれたよ! ありがとね、二人とも♪」
「じゃあ後は二曲ガッツリ詰めて、発表会でみんなを驚かせてやろーっ! おーっ!」
※
俺達は店が終わると演奏予定の二曲を仕上げていった。三人で相談してキメの部分やブレイクする所を重点的にそれぞれの意見を出し合った。 彩さんの歌声は、透明感がありちょっと切ない感じなので、未来姉はエモいフレーズを思いついては弾き、一人でヘラヘラと笑っていた(苦笑)
「彩ちゃん、いよいよ明日だね! これならバッチリだよ」
未来姉はオレンジジュースを彩さんに手渡して微笑んだ。
「二人共、本当にありがとう! 二人のおかげで自信がついたよ!」
「後は、元カ……、じゃなくてソイツ
「そうだね、彩さんこんなに可愛くて、魅力的になったから、その男またちょっかいかけて来そうだな……」
「…………っ!!」
……ん? 彩さん、真っ赤になってる。
「大丈夫よ! 私達がいるんだからそんなのやっつけてやるわよー! ねっ、悠真っ!」
「いや、俺っ、ケンカとかしないからっ!」
※
今日は発表会の日だ!
未来姉と二人、電車を乗り継ぎ現地に着くと、既に結構な人数が集まっている。何かウチの店位の広さのライブハウスを貸し切ってやるんだな。何バンド出るかも良く分からないけどお祭り気分になってウキウキしてきたよ!
「おーいみっくー、悠真くん、おはよう! こっちだよー♪」
俺達も入り口で手を振る彩さんと合流して店に入る。
「あれ? ……彩?
雰囲気変わったねぇー! 一瞬誰だか分かんなかったよー! でもその髪、めっちゃ似合ってるよ♪」
今日の彩さんは可愛いイラストが書かれた白い長袖Tシャツに黒のミニスカートで、シンプルなんだけどみんなの注目を集めていた。
「ありがとう由希! 今日はお互い頑張ろうね!」
彩さんは店に入ってすぐに何人かの人に声をかけられていた。
……あれ? 彩さんってもっと孤立してるのかと思ってたらそうでもないんだ。ちょっと安心したよ!
そこへ……、
「彩? お前、…………彩なのか?」
「……っ!」
彩さんの前に現れたのは、ニヤニヤ薄笑いを浮かべて、見た目がなんかチャラそうな男達だった。そいつらは彩さんを舐める様に見回して……、
「彩、……綺麗になったな。
その……、この間は叩いて悪かった。
そうだ! ……また俺達と一緒に組まないか? 今度はお前のやりたい様にやって良いからさ……」
……コイツら、何言ってんだ? 彩さんは眉間にシワを寄せ露骨に嫌な顔をして、
「何、調子の良い事言ってるの? それじゃ新しいボーカルの子はどうするのよ?」
「お前が戻ってくれるなら、すぐにでもクビにするよ! なぁ、……いいだろ、戻って来いよ!」
彩さん、その男の手が肩に触れそうになったのを払いのけて、
「そうやって女は何でも俺の言う事聞くみたいな態度、最低っ! もう私に関わらないで! あっち行こうっ、みっく」
彩さんは未来姉の手を引いて、早足でその男の前から去っていった。
あー、最低な男だ、……顔はまぁまぁだけどなんであんな奴がモテるんだ? 変な事にならなきゃいーけど……。
つづくー!
本編はここまでっ♪
🌸読んで頂きありがとうございました🍒
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🎸ここから先は補足&雑談コーナー🎸
彩ちゃんのイメチェン後のイメージは『ポルカドットスティングレイ』の雫ちゃんをナイスバディにした感じです(笑)
https://images.app.goo.gl/kHGeNTvY6VAYe3uC7
ちなみに脳内cvは本渡楓ちゃん。
夏休み明けとかに地味だった子が垢抜けてると『おーっ!』ってなるよね。そんな感じにしてみたかったの♪
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