第13話 それじゃ、私達がやろっか?


 次の日も彩さんは店に来て未来姉の手の空いてる時間に話をしていた。


 昨日は暗い印象だったけど、今日の彩さんは明るくて全然冴えない女じゃないじゃん、笑った顔も可愛いし。


 ……なんて思って見ていたら未来姉が『おーい』と俺を手招きして、


 「あっ、紹介するね、弟の悠真ゆうま。高校一年でドラム叩いてるんだー♪」


 「あっ、悠真です。未来姉から話は聞いてます。まずはメンバー探す前に彩さんがどんな音楽やりたいかを知らないとなんですが……」


 「あーっ、そう言えば何も聞いてなかったよー! 悠真っ、流石だねぇ♪」


 (おいおい、未来姉! それ聞かないでどうやってメンバー集めようとしたんだ、全く)


 彩さんは苦笑いしながらバックから楽譜を取り出して、


 「とりあえず何曲か作った物持って来たんだけど……」


 言い終わらない内に未来姉が、


 「じゃあさー、店終わったら歌って見せてよー! そっちの方が早いしー♪」


 うん、俺もそっちの方が分かりやすくて良いと思うよ。



 ※

 


 客がけた後、三人で軽く夕食を食べてから彩さんはステージに向かいアコースティックギターを取り出した。


 「バンドでやる時はエレキギターでバンドアレンジしようと思うけど、今日はアコギの弾き語りでやるね♪」


 そう言って彩さんはジャッジャッ、とコードを鳴らし、アルペジオを交えて歌い出した。



 ♪〜♪、♪〜♪ ♪〜♪、♪〜♪



 yuiが好きで音楽始めたって言うだけあって、曲も声質もなんとなく似てる。


 流石専門学校に通ってるだけあって歌上手いよなー、別にバンドじゃ無くてソロでいいんじゃない?


 ……どうやら未来姉も同じ事を思ったらしい。


 「彩ちゃん、無理にバンド組む必要無いんじゃない? 一人でいーじゃん!」


 すると彩さんは、


 「ダメなんですっ! 今度学校で発表会があって、バンドでの参加じゃなきゃいけないの! そこで私は私をクビにしたアイツ等を見返してやりたいのっ!」


 「それって彩ちゃん以外は一般の人でもいいの?」


 「学校内でバンドを組めない人も居るだろうから、アマチュアならOKだそうです」


 「じゃあ、その時だけのバンドで良ければ私達が一緒にやるって事じゃ、ダメかな?」


 

 ん? ……? 俺もって事だよね(苦笑)


 「そう言ってくれるのは……ありがたいけど、…………」


 そう言って彩さんは下を向いた。なんか複雑な表情してるな、……あっ! もしや彩さん、俺達高校生だからってナメてるのか?


 「悠真っ、この曲をバンドアレンジでやってみるけど、……イメージ出来る?」


 そんな事はおかまいなしに未来姉が聞いて来たので、


 「そうだな……。今より少しだけテンポ上げてみようかな?」


 俺はドラムセットまで歩きながらブツブツと独り言を言い、ドラムスローンに腰を下ろした。


 「コード進行も複雑じゃないし、エレキギターで疾走感出す感じでやってみようよ! 彩ちゃん、ちょっと私達だけでやってみるから後からそこのエレキギター使って入って来てよ!」


 「え? ……えっ?」


 彩さんが戸惑っているのなんて気にせず、未来姉はベースを肩から掛けて、お決まりのルーティンを始めた。 ……じゃあ俺も準備するか!


 そして胸元から赤眼鏡を取り出し、装着! そして今回は指弾きでさっき聞いた曲を弾いていく。


 俺もエイトビートにオカズを徐々に増やしながらテンポを色々変えてみる。


 「未来姉っ、bpm120で行こうか?」

 「おK」


 「じゃあ、いくよー!」


 ♪カッ、カッ、カッ、ドゥタン!




 つづくー!

 本編はここまでっ♪



 🌸読んで頂きありがとうございました🍒

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 🎸ここから先は補足&雑談コーナー🎸

 

 はい、今回のお話は彩ちゃんの専門学校の発表会に2人で参戦します(笑)←結局そういう話なのかーい!


 彩ちゃんはみっく達の実力を知らないので不安しかありません。そして『ざまぁ』ってどう書いたんだ? よく分かってない作者が書くとこんな感じになるんだーって生暖かい目で読んで下さいませ♪


 

 『追放系編』←そんなんだっけ? のヒロイン彩ちゃんは今のお話の段階では少し野暮ったい感じです。それでも歌声はエモくてキュンキュンするー♪


 そしてこのお話の終盤には後々重要人物として出てくるあの人が初登場!! 一体何者だ?


 『yui』は十代の頃流行ってたなー、カラオケ行ったら毎回友達誰か1人は歌ってたから自然と覚えちゃったわ。歌声好きだけど一時期みんなyuiっぽくなかった? 知らんけど。

 


 

 

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