第6話 中国人らしくない「一帯一路」

中国(人)とは、本来「モンロー主義」の国家であり民族です。

中華という世界の中心で、自分たちだけの閉じた世界で繁栄を謳歌できる。

経済に於いても文化に於いても、自分たちの世界だけで充分、豊かで楽しい生活ができる。 夷狄(野蛮な外国人)と付き合う必要などないのです。


そんな豊かな中国に侵略してくる夷狄との戦いが中国の歴史ともいえるのです。

「夷狄(野蛮な異民族)との戦い」こそ、中国の宿命(天に負わされた運命)。

中国を侵略する敵とどう戦うか。それが昔からの中国という国家の行動原理・国家的命題でした。


  日中が国交を回復(1978年)し、そこから現代化をスタートした中国は、わずか50年間で驚異的な進歩を遂げました。

それより以前に日本の金と技術を垂れ流し的に享受してきた韓国や台湾が、2023年の現在、いまだに日本の金と技術にすがっているのとは大違いです。


そんな中国は、国際金融資本家の要請(脅し)もあり、建国時からの名誉ある孤立を辞め、逆に世界へ打って出ました。 即ち、世界中の国を中国の金と技術によって豊かにすることで、彼らを自力更生させ、豊かにし、以て中国の味方にならずとも敵にしないという政策に、国家としての軌道を変更したのです(the Belt and Road)。

 「貧乏な国をなくす」ことで、敵を減らす。中国国内のみならず、世界中の国々での「貧困からの脱却」こそ、平和・繁栄の鍵である、と。


  ところが、いくら中国が頑張ったところで、国際金融資本家という

○ 「一旦人々・国家を豊かにしておいて、次には彼らを不幸のどん底に陥れるという、人の不幸を楽しむ」

○ 「貧富の格差あってこそ(自分たちにとって)楽しい世界」


を標榜する人たちがいるかぎり、彼らによって意図的に作り出される貧困・飢餓・疫病パンデミック(感染症などの世界的流行)・戦争はなくならない。

  米映画「眼下の敵」で、アメリカの巡洋艦艦長(ロバート・ミッチャム)がいみじくも述べたように「(ギリシャ神話で)悪い蛇の首を切っても、切っても、新しく毒蛇の首が生えてくる」ようなものなのです。


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