第43話

直営店を出すにあたり色々偽装工作をする。


冒険者や代官を務める村の村人達から材料となるものを買い取りをして商品を作っていることにする。


一部の商品は実際に買い取った物で作ったりしているがほとんどの物は暇をしているダンジョン内の魔物達に集めさせた物だ。


素材の購入代金はマジックバック代として領主であるラスティンから受け取った物や元からヒイロが所持していたお金を使っている。


利益が出てくれば店の売り上げだけでやっていけるように値段設定はしているがヒイロとしては赤字でも問題ないと考えている。


直営店は売り上げよりもより冒険者や鉱夫達といった者達を集めるために出すのだ。




色々やっている間に白の出産がはじまった。


状態は安定している。


三日月が不安そうにうろうろしていたが奥さんである白に怒られ今は端のほうで丸くなっている。


三日月の方を見れば大丈夫なのかという表情をしている。


それに対して白は落ち着いており1匹、1匹、順調に生み落としている。


今回、白が出産したのは黒色のブラックウルフ2匹に白い毛並みの白狼2匹の計4匹だ。


流石に出産で疲れたのか白はぐったりしている。


回復魔法をかけ、体力を回復する回復薬を飲ませる。


いつの間に移動してきたのか三日月が我が子をペロペロと舐めていた。


子供達はそんな三日月をスルーしてお母さんである白のお腹に吸い付いている。


正直、可愛すぎて他の作業が手につかなくなりそうだ。




エルフの渦を買えるまであと少しというところで第4層に冒険者達がやってきた。


遠見で確認すると装備の整ったバランスの良い編成だ。


ラミアが久々の獲物だと襲いかかったが簡単に迎撃されて逃げ帰ってきた。


実態を持たないレイスやゴーストも物ともせず戦い慣れている様子だ。


魔物のストックはまだあるがこのまま暴れ続けられると被害は甚大だ。


介入しようか考えているとマジックバックを入れた宝箱を見つけたようだ。


冒険者達はマジックバックを手に入れるとあっさりと引き上げていった。


マジックバックを手に入れて引き揚げた所を見ると領主であるラスティンから流れた情報を確認しにきたのだろう。


何度も来られてマジックバックを持っていかれても困るので予定を変更してダンジョンに手を加えることにした。


墓地エリアを第6層に入れ替え、4層を氷雪地帯に設定。


5層に灼熱地帯を設定する。


これでただ強いだけではダンジョンを攻略するのは難しくなった。


環境というのは魔物がいなくても厄介な存在なのでこれで少しは時間稼ぎが出来るだろう。

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