第39話
情報が共有されたのだろう。
ダンジョンに冒険者達がやってくるようになった。
とはいえ、探索のメインは第3層までで第4層にまでやって来るのは稀だ。
第4層のフロアボスを強化すべく取り巻きにヒイロ謹製の鎧と魔剣を装備したスケルトンを追加してある。
正直これを突破できるのは超一流の冒険者。
つまりは英雄クラスに片足を突っ込んでいるような連中だけだろう。
第4層を徘徊しているスケルトンの装備も変化している。
これはドワーフが張りきった結果だ。
槍に斧など実に様々な装備で身を固めたスケルトン達は探索の難易度を一気に上げるのに役立っている。
それだけでなくレイスやゴーストといった実態を持たない魔物も追加してある。
実態を持たない魔物は物理攻撃では排除できず魔法を使えなければ倒すのは難しい。
例外は魔剣や聖剣といった武器に特殊な効果を持っている物だけだ。
そんな高価な武器を持った連中は大魔王である父のダンジョンやラキア姉さんのダンジョンに行っているのでまずやって来ることはない。
後は変化があるとすれば第3層で育成しているスライム達だろうか。
薬草を食べ続け変化したヒールスライムや鉄を食べ続け変化したアイアンスライムなどバリエーションが増えてきた。
スライム系の魔物はある程度の体積になると分裂して増えるので一度進化してしまえばノーコストで同種の魔物が増えるので大変助かっている。
第5層に向けて採掘作業は進んでいるが第4層を突破される心配がないので新たな魔物の渦を購入する為に節約している最中だ。
次に購入を目指すのはエルフである。
ドワーフは鍛冶などは得意なのだが薬草の調合などはできない。
せっかく第3層に森があるのに自生する薬草を十分に活用できていないのである。
最低限の物はヒイロが調合してゴブリンなどに持たせてはいるがエルフに任せられるのならそちらの方がよい。
ラミアも順調に血を集め、眷属も少しずつ増やしているようだ。
ラミアの眷属は支配下にないので監視は必要だが反逆されてもなんとかなるだろう。
代官を務める村の状況であるが新たに広げられた畑の周辺に木製の柵の設置が始まっている。
ジャガイモやサツマイモをはじめ、新しく植えた野菜ももう少しで収穫できるだろう。
家畜のほうも問題なく卵や乳を村人に提供してくれており、食料が安定したからか村人達はおさかんのようである。
人口が増えるのは喜ばしいことだ。
人が増えればそれだけでDPの収入が増えるのだから。
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