第38話
忙しく動き回っているところに冒険者の調査隊第2陣がやってきた。
今回の冒険者達は前回の冒険者達が帰ってこなかったからか慎重に進み新しいフロアに出るたび地上へと帰還していた。
そして、第4層に足を踏み入れた。
フロアボスであるスケルトンナイトと相対すると冒険者達は早々に逃げていった。
正直、6本の魔剣を与えたのはやり過ぎだったかもしれない。
そう思わせる程、スケルトンナイトは一方的な戦いをしてみせた。
渦から新たに生まれたドワーフはスケルトン用の鎧作りを中心に活躍してくれている。
鎧というのはとにかく工程が多く時間がかかるためドワーフに任せられるのは助かっている。
ラミアであるが相変わらず分体のコバットを1層に送りこんで鉱夫達から血を集めている。
その甲斐あってかほんの少し成長したらしい。
らしいというのはヒイロから見て実感できなかったからだ。
どこが成長したのか聞いたところ自信満々に胸を張っていた。
恐らくであるが胸のことなのだろう。
ちなみにラミアの胸はペタンコである。
下手に女の子の胸の話をすると藪蛇になると知っていたヒイロは何も言わなかった。
スルーされたと知ったラミアが何やら騒いでいたが触らぬ神に祟りなしである。
ヒイロはウィンドブルへと赴き領主であるラスティンと話し合いをしていた。
代官を務める村の人々をダンジョンに出稼ぎに行かせる許可を取りにきたのだ。
ラスティンとしても領民が外貨を稼ぐのには賛成であり安全が確保できるならと喜んで許可を出した。
最初は村人達に同行して安全を確保する予定だ。
とはいえ、自分のダンジョンであるので危険などあろうはずもないのだが。
村へと戻り必要な物を揃える。
荷物を運ぶための台車や鉄鉱石を掘るためのツルハシ。
怪我をした時の為の回復薬。
真面目に訓練を続けていた村人達の練度は十分。
ヒイロは不安がる村人達を連れてダンジョンの中に足を踏み入れる。
入り口近辺は既に採掘作業をしている人々がいるので少し奥まで移動して作業開始だ。
まずは近寄ってくる魔物を討伐する。
ヒイロは見ているだけだ。
指示は出しておいたのだが魔物達の動きがぎこちない。
それはそうであろう。
何が悲しくて自分の主達を攻撃しなければならないのか。
唯一、ラミアの分体であるコバットだけが執拗に攻撃を加えてきていた。
どうやら、まだラミアはお怒りのようである。
村人達は問題なく魔物を倒し採掘作業に移った。
何度か同行し安定するようなら村人達に任せて大丈夫だろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます