第35話
ウィンドブルの冒険者組合が手配した凄腕の冒険者達がやってきた。
予想はしていたがあっさりと第1層を抜け第2層へ。
草原エリアには罠などなく広さだけが取り柄だ。
第2層のタイラントボアもあっさりと倒される。
第3層ではゴブリンやフォレストモンキーなどが嫌らしい戦いを展開するが冷静に対処されあまり効果はなかった。
三日月が眷属を連れて嫌がらせを頑張っていたが無理をさせないように撤退済みである。
フロアボスであるトレントも奮戦するがこれもまたあっさりと倒される。
収支では完全に赤字で正面切って戦いを挑んでいたら被害はもっと広がっていただろう。
冒険者達はトレントを倒した場所で野営するようだ。
ラミアもコバットを引き連れ少しでも休憩の効果を下げようとしていたが無駄に数を減らすだけに終わった。
そして、ヒイロの待ち構えている魔王の間に冒険者達がやってくる。
「はっはっはっ。よく来たな。我がこのダンジョンの魔王である」
ヒイロはあえて偉ぶってみせる。
「なんだ、餓鬼じゃねぇか」
冒険者達はヒイロを見て明らかに舐め切った態度をしている。
迂闊にも魔王の間の扉を超えて魔王の間に踏み込んでくる。
ここでヒイロは障壁を展開。
これで冒険者達は障壁を壊すかヒイロを倒さなければ魔王の間から出ることは出来ない。
口には出さないが正直馬鹿な奴らで助かった。
仮の魔王の間とはいえ、ここにはヒイロの有利となる要素が揃っている。
魔王の間は他のフロアより魔素が濃く人間が長いこといると体に変調が起きる。
それだけでなく登録者以外にデバフがかかるような仕掛けも施されている。
ヒイロは無言でさっさとかかってこいと挑発する。
脳筋と思われる剣士が足を踏み出しそして消し飛んだ。
ダークマインという設置型の魔法だ。
小手調べ程度のつもりで設置していたがどうやら魔法抵抗力があまり高くなかったようだ。
「おいおい。嘘だろ」
「私に任せて。ウィンドサーチ」
ウィンドサーチは風で周辺エリアを調べる魔法だ。
魔物の位置だけでなく不自然な魔力の流れを調べることもできる。
脳筋は迂闊だったがこの辺りの技能をしっかり使えているところを見ると一流の冒険者はやはりめんどくさい。
「うへ。この部屋、罠だらけじゃない」
「罠が多いなら全部吹き飛ばせばいい。クラッシャー」
斧を背負ったスキンヘッドの男がそう言って斧を地面に叩きつけ破壊する。
もう少し罠で削れるかと思ったが考えが甘かったようだ。
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