第33話
待望のドワーフの渦を購入した。
渦から一人のドワーフが出てくる。
銀色の髪をポニーテルにまとめた少女である。
普通ドワーフと言ったら髭もじゃの低身長のおっさんを思い浮かべるだろう。
しかし、ドワーフには女性もしっかりと存在しており美人さんが多い。
「マスター。ご用件はおありですか?」
「すまないけど君はラキア姉さんのところに行ってほしいんだ」
「それがマスターの願いなら私は受け入れる」
残念ながらラキア姉さんのダンジョンに転移は出来ないのでグリフォンを呼び出し二人乗りでラキア姉さんのダンジョンを目指す。
しばらく飛んでいるといかにも魔王が住んでいそうな威圧感のある城が飛び込んできた。
これがラキア姉さんのダンジョンである。
ダンジョンの前には冒険者を狙った露店が立ち並びいかにも強そうな冒険者達が何人もいる。
ラキア姉さんのダンジョンがあるから手練れの冒険者が流れてこないというメリットがある。
今、このクラスの冒険者に来られたらあっという間に魔王の間までこられてしまう。
上空から探索魔法を発動すると城から少し離れた場所に違和感を覚えた。
グリフォンをそちらに向かわせ調べてみると予想通りダンジョン族用の通路だった。
グリフォンを収納してドワーフと二人通路を進む。
しばらく進むと以前、ダンジョンに乗り込んできたうちの1人が待ち構えていた。
「おまえ、ラキア様の弟か。何のようだ」
「ラキア姉さんに用があったんですけど」
「ちっ。ついてこい」
いくつかの区画を通り抜けると一面花畑のエリアに出た。
ラキア姉さんはそこでウッドチェアに座りながらお茶を飲んでいた。
普段は魔王として辣腕を振るうラキア姉さんだがこうして乙女チックな部分もある。
「ラキア姉さん。色々ありがとうございました」
「あら、ヒイロから会いにきてくれるなんて今日はいいことがありそうね」
「今日はお礼としてドワーフを連れてきました」
「あらあら可愛らしい子ね」
どうやらラキア姉さんは気に入ってくれたようだ。
魔王権限でドワーフの支配をラキア姉さんに移譲する。
これでドワーフは正真正銘ラキア姉さんの物だ。
「ラキア様。よろしくお願いいたします」
「貴方には期待しているわ」
ラキア姉さんは色々凄いのだが繊細な作業を苦手としている。
今までは同族のダンジョン族がその穴埋めをしていたがドワーフもその仲間となることだろう。
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