第18話
衛星都市ウィンドブルの領主は採取した鉱物の一部を収めるという条件で同じ派閥の貴族に兵士の派遣を依頼した。
依頼を受けた武闘派の貴族は少数ではあるが優秀な兵士を迅速に派遣してきた。
それと同時に鉱夫達と鍛冶屋を派遣してくる徹底ぶりだ。
ウィンドブルの領主としては鍛冶屋はありがたかったが鉱夫は自分のところの住民を使うつもりだったので苦虫を嚙み潰した。
なんとか、ウィンドブルの住民と上手くやっていけるように手配するしかないだろう。
入り口を封鎖しつつ派遣してもらった兵士を護衛に鉱山で採掘をする。
エリアボスの6本腕のスケルトンは危害を加えなければ動き出すことはないだろう。
何にせよ、準備は整った。
こうしてヒイロのダンジョンに富を求めて人がやってくることとなった。
◆◆◆
今後、どうダンジョンを経営していこうかヒイロが考えているとダンジョンにお客様がやってきた。
遠見で覗いてみると装備の統一された兵士の集団である。
彼等の動きを見る限り行軍も整っておりどこかの正規兵のようだ。
その彼等に遅れながらも続く人達がいる。
こちらはツルハシ持ちリアカーを引いている人もいる。
戦闘は正規兵に任せ彼等は鉱山地帯で採掘するのが目的なのだろう。
何にせよ、人がやってきたことは喜ばしい。
入り口の鉱山地帯の魔物の配置は完璧だ。
スケルトンにゴブリン、スライムにコバットを適量配置済みだ。
宝箱に普通のポーションも設置してある。
今後は討伐されたら自動でプールしてある魔物が一定時間ごとに自動配備されることとなる。
正規兵と鉱夫達がダンジョンの入り口に到達した。
鉱夫達は入り口で思い思いに休憩をとりはじめた。
正規兵が討伐して安全が確保されてから侵入してくるのだろう。
歓迎の準備は万端だ。
まずはスケルトンが正規兵を待ち受ける。
ゴブリンは洞窟の窪みに隠れている。
スライムも悟られないように天井に張り付き隙をうかがっている。
スケルトンと正規兵がぶつかる寸前のところでコバットが正規兵の顔面目がけて飛んで行く。
前回はいなかった魔物がいることに驚いたのか正規兵の動きが一瞬止まる。
そこにスケルトンが攻撃をしかける。
残念ながら防具に阻まれ有効打にはならなかった。
一発限りではあるが正規兵を驚かせることに成功したようだ。
しかし、正規兵達は戦い慣れているのだろう。
すぐに他の兵士がカバーに入りスケルトンの剣受け止め陣形を整えた。
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