第20話
ー20ー
さて思春期には異性を理想化してみるものだが、男の場合それが極端である、実物と似ても似つかない虚像が頭の中で作られる。もうその子のことで頭の中も体も心もいっぱいなのである。が、実際の少女は一人の生物に過ぎないから生理現象は当然ある。ところが男はそれが理解できないのである。古い話になるが吉永小百合はトイレに行かない、という神話が作られるのである。もうその子が脇を通っただけで胸は張り裂けそうにドキドキする。目が合ったりすると一日中夢心地である。それが思春期の一時的な現象だと気づくことは当分ない。大抵はここで言い出せずに終わる。
が女の子の方が少しませてたりすると家に呼ばれたりする、そこでキスやその先をすることになる場合もある。キスはレモンの味ではないし、女性のあそこはとても幻滅する構造になっている。男の何十%は立たないで終わる。生殖活動が盛んな時期に立たないとは異常である。だが立たない時は立たない。男が女はそういうものだ、一人の当たり前の人間だと思うようになって、遅れをとった行為はやっと終わる。その行為は夢のようなものではない。愛し愛されて時間が経ってお互いを理解し始めていいものだなと思うのである。でも一生夢の中での行為には及ばない。頭の中で考える行為は物語で実際の行為は現実だからである。だから夢精をしているころが男性の歴史の中でも際立っていいのである。大人になっての行為は欲望に変わる。支配したいという考えが勝る。そして成就した時に満足する。そしてその行為が何度も続くと飽きて他の女性の方へ行きたがる。これは相手がどんなに美人で魅力的な人でも変わらない。彼はそれだけでは満足できなくなる。別の劣る女性も抱きたくなる。かくして例の芸人のスキャンダルがあるのである。
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