第11話
ー11ー
私の「鬱」病は良くなったり悪くなったりするが、大抵低次元で一定している。私は今、食後の眠気で寝て起きたばかりだ。だから頭がよく働かない。起きた瞬間は色々なことが混乱し疑問符だらけになっている。寒い、電気毛布をかけなきゃ、毛布はどこに行った、私は電気毛布なんてしていないではないか。だから寒い、エアコンだ、私はエアコンで寒さを凌いでいたんだ。ならリモコンはどこにある。私はリモコンを食べたんじゃなかったっけ。だから見つからないのだ。そんなはずがない。あれは食べ物ではない。痛む体を何とか動かしてリモコンに手を伸ばし温度を高めに設定した。私は文章を書いていたのだ、もう殆ど書き尽くしてセーブしてあるはずだ、どのハードディスクだ。いや今時ハードディスクなんか使っていない。あんな遅いもの、SSDだ、そこにセーブした、私はそれを探していたのだ、SSDはipadの中にあるではないか。私は文章を完成させたのだろうか、いや完成していない。。。これらのことを全部するのに起きてから10秒かかる。だから私は今机の前で呆然としていたのだな。目を覚ませ、ジャズを聴け。やっと落ち着いてくる。だめだ、キーボードがよく押せない。1時間四千字打てたのに今では全く打てない。指の痺れもある。仕事をしていたら解雇されていたな。大丈夫だ、ジャズが聞こえる。私はやっと起きたようだ。
ところで何を書くか、書き尽くしたんじゃないか。そんなはずはない。数ページで終わる人生じゃない。会社で働いていた時の女のことを書こう。その子が入ってきた時、二週間ほどして歓迎会をやった。私は手取り足取り教えてやっていた。私はある日お昼に誘った。彼女はごく普通にハイと言ってついてきた。歓迎会の日、その女は店に入りお酒を飲み始めた。すると上司の私を完全に無視して後輩とだけ話をした。意識的に完全に無視されていた。話しかけても答えなかった。彼女は次の日退職届を持ってきた。今から思えば酒癖が悪かっただけかもしれない。だが私はひどく傷ついた。今でも会ったら殺したい。
女の話はキリがない、今でも書いていて思い出して嫌になる。女という種類の生物が私には分からない。異星人の男性の方がまだ息が合うかもしれない。だから心の底では女を憎んでいる。思い起こせば女でメチャクチャになった人生だ。私も若い頃は女に引かれていた。だが女という生き物が徹底的に我が儘だということに気づいていなかった。だからウブだった私が悪いということになる。私は今でも思うのだが、女の裁判官なんてあっていいのか。あれほど感情的で欲情的な雌を裁判官にするなんてもってのほかだ。私が殺人をして女の裁判官に裁かれたら一生、いや死刑になっても呪ってやる
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