第7話

ー7ー


 さて小説家に自由に書かせておけばいいのに出版社は独自に賞なるものを設定する。いろいろな作家が選考委員になるが彼らが読むのはどこの誰かが選んだのかもしれない最終選考に残った作品だけである。どれも似たり寄ったりの大差ない小説をああでもないこうでもないと選考する。全部選ぶか選ばない方が納得する。私は小説が苦手である。長々と退屈なものを書きたくない。小説にも約束事があり、全部がハッタリではダメで現実らしさを残しておかねばならない。これが私は不自由で嫌なのである。嘘八百の小説を書くのだから全部嘘でいいではないか、だが本当らしさがないとダメらしい。この辺の塩梅が私のようにイカれた人間には苦手である

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