白昼夢






  

    僕は人生なんて知らなかったんだ!

    こんな仕様もない結末では

    紙面の片隅を汚す悲報にもなれない!




    「終わり」が閃光のように

    僕の右横を掠めたあの日

    外濠に投げ捨てたものを思い出せ!




    「とばり」が人生ショーを隠したとき

    神楽坂を転がり落ちて

    ぺちゃんこになった者たちを思い出せ!




    "asphalt"を濡らす血液と

    此方をあざ笑っている

    彼岸の奥の、冥府の王を見よ!



    僕らが本当に「終わる」のは!



    ああ! 「終わり」が

    倒れる僕へ 乙女のような

    柔らかな手を差し伸べるとき!






    

 

    



    

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